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大人になってからこんなところに来るなんて思わなかった。
北斗とだって数え切れるほどしか来たことがない。
＊
淡いピンクの照明。
ブランド物のコートをどこかのタイミングで脱ぎ捨てた私は白い海に堕ちた。
こういう所のベッドって案外柔らかいんだ。
なんてことを頭の隅で考え、現実では目の前の彼の端正な顔を受け入れていた。
控えめに響く水音が2人を少しずつ、少しずつ、大胆にさせる。
名前なんて知らない。
住んでるところも年齢も、何の職に就いているかだって。何も知らない。
ただ唯一知っているのは優しい肌の温もりだけ。
『んぁ、はぁっ、ああ、ぁ、、ッ！！！』
＊
ことを終えた私たちは別々にお風呂に入った。
大きいお風呂、こういうのって学生の頃は案外好きだったけれど、今は1人で入るには寂しい。
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作者名：悠 稀 。 | 作成日時：2019年1月23日 0時
