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指定された席で待った。そわそわして何度も時間を確かめて目をつぶっての繰り返しだった。先に出されたミルクティーは飲めなかった。
入口が開き、スーツ姿の涼さんがこちらに歩いてくる。一歩一歩、重く地につき、私の方にやってくる。緊張で震えた。脇の下は汗でぐっしょり濡れている。
「久しぶりだね、Aちゃん」
言いたいことや聞きたいことはたくさんあった。それでもいざ目の前にすると足がすくんで、手は小刻みに震えていた。それを隠したくてスカートを握りしめた。
「お久しぶりです。あの、」
「急に消えてごめん」
言葉に詰まっていると涼さんから切り出した。ごめん？そんな言葉が聞きたいんじゃない。ふざけるな。
この場でビンタしてやりたかった。でも愛おしかった。どうして私の元から消えたの？
「あの、私の事、どう思ってましたか？」
ずっといちばん聞きたかったこと。私は彼にどう思われていたのか。これは恋だったのかをハッキリさせたかった。
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作者名：悠 稀 。 | 作成日時：2024年1月30日 23時
