【ハリーポッター】魔法の日【親世代】 (ページ9)

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優しい仮面ページ9

Aは違和感の正体が分かった。
しかし、それは言うには酷だった。
Aは静かに口を開く。

「何故、貴方が登場していないの？」

自分で喋るからかな？と笑うノア
またAは静かに口を開いた。

「違う」

「え？」

「貴方が出てこないのは……父親にも母親にも見られてなかったから。
貴方の両親はルシウス兄さんだけを見ていた。
貴方は愛を受け取って無かった。
だから母親が亡くなったと言ったとき悲しそうでも無かった。
他人が亡くなったような澄まし顔だった。」

其処までAが言うとノアは静かに笑った。

「そうだよ。僕の事を両親は見てもいない。
眼中に無いんだ。
全てが兄さんに向いている。だから僕は兄さんにすら嫌われている。」

Aは意味が分からなかった。ルシウスがノアを嫌う理由が思い付かないからだ。
それを知っていたかのようにノアは口を開く。

「英才教育を僕は受けてないんだ。
ただ兄さんがやっているのを遠くから見ているだけ。
それが嫌なんじゃないかな？
兄さんは決められたレールで生きてきた。次期当主になるためのレールをね。
その代わり僕は自由に生きてきた。
未来も、婚約者も、レールも無い。
この差が兄さんと僕の仲を切った」

平然と言うノアはまた優しそうに笑った。
Aは嫌いなモノがある。
でも、それは決して家族では無い。
Aにはノアの気持ちが分からなかった。
何故、幸せそうにしているのか。
何故、其処まで他人に優しいのか。
何故、家族を嫌っているのか。

何故、優しい笑顔の仮面を着けてまで兄と関わるのか
Aには理解が出来ないモノだった。