見惚れる ページ15
シリウスsaid
あくびをしながら
ジェームズに連れられ食堂まで歩く。
ルームメイトであったリーマスとピーターも一緒に。
三人で世間話をしているとジェームズがいきなり
「おやおや〜？帽子に触るな！と言われていた子じゃないか」
とからかう様に誰かに声をかけた。
言い合いを始めたジェームズを置いといて、どんどん眠気が襲ってくる。
「血を裏切ったブラック家の子って君かい？」
髪で隠してはいるが女顔に近い男が話しかけてくる。
「………何のようだ」
これは本心だった。
スリザリンと言うことは純血一家で生まれたのだろう。
「警戒しないで。僕、君と友達になりたいだけなんだ」
優しい笑顔で手を出してくる。
こんな時に変なことを考えてしまった。
コイツ女でも生きていけるだろうな…と
制服のズボンを履いてなきゃ間違える位には女に見える。
「お前の名前は？」
知ってると思うけど…と呟きながら
「ノア。ノア・マルフォイ」
ん？
マルフォイ家？
純血主義の？
あのマルフォイ家？
いや、俺に話しかけて来るくらいだしコイツも裏切ったのか？
頭の中の考えが、まとまりマルフォイ…ノアの手をとる。
「僕ね、家訓とかどうでもいいんだ〜」
「お前もか！？俺も家の家訓とかどうでもいいんだ！！」
正直、驚いた。
俺以外に家訓に従わないやつが居るなんて…
「僕はお母さんの家訓が好きなんだ…」
「母親の？」
話を聞いている限り母親の方が純血主義ではなさそうだ。
「うん。“愛を信じよ”ってやつなんだ。
彼女…Aも同じなんだよ。母親の家訓がね」
「“愛を信じよ”…か」
確かに、この家訓の方が良い。
ん？同じと言うことは
「親戚なのか？お前ら」
「うん、遠い親戚だよ。Aは知らないけどね」
遠い親戚と言うことはどちらかが分家なのか…
「終わったみたいだよ」
ジェームズ達の言い合いが終わったようでノアは
「おーいA早く食堂行こうよ！」
アイツがAか…
「アリスの分もご飯取っておこう？」
思ったより綺麗だった。
ノアの方を見るとき思わず息を飲んだ。
黒い髪は光で反射し輝いて
真っ赤な瞳は宝石のよう
白い肌は白い陶器のようで
俺はAに見惚れていた。
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作者名：春@haru | 作成日時：2018年11月27日 18時
