怒ってる ページ11
今、兄さんに話しかけちゃダメだよ。
そう、ノアに警告されたA。
「兄さんはブラック家がスリザリンに入らなかった事で怒ってるんだから」
ブラック家とは？
名前だけは聞いたことのある家だが、それがどうしたのか。
「A。ブラック家ってね代々スリザリンに入っているらしいよ」
そう先輩が言ってた。と言うアリス。
Aはアリスの人脈がどうなっているのか聞きたかったが明るい笑顔を見てると聞くに聞けなかった。
「……ブラック家か」
ﾎﾟﾂﾘとAは呟いた。
いったいどのような人なのか少し興味が出てきた。
「あ、Aぜーったいに！関わっちゃダメだよ！」
アリスは必死そうに手をバタバタしなからAに言う。
「うん、アリスの言う通りスリザリンで行きたかったら“今は”関わってはいけないよ」
今は、の所を強くする辺りノアも興味が沸いたのだろう。
その言葉に頷く。
その時、監督生が皆に寮へ行くよう声をかける。
ゾロゾロと緑色のフードの集団は寮へ向かっていった。
「どんな寮なのかな？楽しみだなぁ」
隣でワクワクしているアリスにノアが
「スリザリンの寮は殆ど緑色らしいよ」
寮の事を教えたがアリスは頬膨らませながら
「誰との部屋なのかが気になっただけ！」
コレだから男は……とアリスはブツブツ言っている。
そんなことをしているうちに寮へ着いたらしく皆止まっていた。
何かに話す声がして、また皆は動き出す。
声がした辺りまで来ると額縁のようなものがあった。
談話室を見回しているとアリスが
「私達一緒の部屋だってやったね！こっちだよ」
嬉しそうにAの手を引き部屋へと連れていった。
荷物を片付けていると鞄の中から昔の写真が出てきた。
写真を手に取って見ると美しい女性が格好いい男性と仲良く並んでいる。
「ねーその写真何？」
アリスは覗き込んできた。
「Aの両親の写真か！」
両親と言われてハッとする。
私の両親はこんな人なんだと。
「ほら、目の形はお母さん似でそれ以外がお父さん似。中身はお母さんになのかもよ？」
アリスのこの言葉でAは少し救われたような気がした。
私にもお母さん似の所が有るんだ。と
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作者名：春@haru | 作成日時：2018年11月27日 18時
