86話 ページ36
朝ごはんを食べ終わった頃、
2階から蒼真が降りてきた。
リビングの戸が開く。
そこに立っていたのは学ラン姿の蒼真だった。
「友矢の家に行くからって
普通の服でもよかったのに。」
蒼真は小さな声で、
「少しでも、本気だって伝えたいから」
と言った。
その言葉を発した唇は紫色で。
ズボンをぎゅっと握った手も青白くって。
目はうるうるで真っ赤で。
大丈夫、って4人の兄ちゃんで頭を撫でる。
きっと大丈夫。
大丈夫だよ。
兄ちゃん達を送り出して
車に乗りこんで、蒼真と友矢の家に向かう。
蒼真の好きな曲をかけて
ハンドルをきる。
「あ、紫陽花だ」
窓に頭を預けている蒼真が言う。
「どこー？あ、本当だ。綺麗だね」
「寒色って見てて落ち着くね」
そう言う蒼真の横顔は朝日に照らされて
本当に綺麗だった。
家についてインターホンを押すとお母さんが出迎えてくれた。
「蒼ちゃん、ありがとうね。
来てくれて、ありがとうね」
お母さんは蒼真の痩せた体をぺたぺた触って
しばらくの間泣いていた。
「大丈夫ならお線香あげていって、ね？
きっと友矢も蒼ちゃんのこと待ってたはずよ」
赤い目をごしごしと擦って
満面の笑みを見せた。
蒼真は緊張した顔でリビングへの戸を開ける。
そこには友矢が額の中で
元気に笑っていた。
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます！コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください！これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱々璃 | 作成日時：2017年11月2日 1時
