52話 ページ2
「蒼真、起きて。
晩御飯食べれる?」
蒼真がゆっくり目をあける。
「食べる…はっ」
蒼真が急いでお腹に手をあてる。
まだ膨らんでないお腹。
兄ちゃんがふふっと笑って
「夢じゃねぇよ」と言った。
「そっか、夢じゃないのか…そっか!」
満足げに笑う蒼真が可愛い。
「オムライス食べる人〜!」
「食べるー!!!」
兄ちゃんの腕の中から
ぱっと出てきて
すぐに椅子に走り移った。
ひらひらと舞う蝶のようで綺麗だ。
「蒼真、走っちゃダメ。気をつけて」
「ごめんなさい〜」
お腹に赤ちゃんがいる人は
走ることは厳禁だ。
なんてひやひやする妊夫が家にいるんだろう。
「よし、食べようか
手を合わせて!」
兄ちゃんが椅子に座りながら言う。
「「いただきます!」」
オムライスにがっつく蒼真。
悪阻はまだ本格化してないみたい。
しんどくなってご飯が喉を通らなくなる時が
近々くる。
今のうちに食べさせておかないと。
「蒼真、俺のオムライスちょっと食べるか?」
「え!いいの?」
「お腹の子の為にも食べろ」
兄ちゃんが蒼真にオムライスと、
おかずも少しだけ分ける。
蒼真は目に涙を浮かべながら
うん、おいしいっていっぱい食べる。
そんな蒼真を見ながら
微笑んでる兄ちゃんが本当に綺麗だった。
美人だなぁ。
俺ら弟たちにとって
兄ちゃんは親なんだな。
きっと。
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます!コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください!これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱々璃 | 作成日時:2017年11月2日 1時