君の蒼い花。2章=オリジナル=

84話 ページ34

「ふぇっ、ふぇぇぇぇ、ひっく」
本当に蒼真は泣いていた。
「蒼ちゃん、どしたの」
体を起こして涙を拭くと、何でもないと言う。
「何でもなくはないだろ？」
「…大丈夫だから、俺、お母さんになるから。
強く、ならなきゃだから…」

それでも小さく震える蒼真になんて声をかければいいのか分からなくて。
頭を撫でてあげることしかできなかった。

「明日、友矢の家にね行こうと思うんだけど
一緒に行く？」

「…赤ちゃんのこと、言うの？」
不安げな目に俺が映る。
真っ赤な目。

「言うよ、蒼真が嫌なら言わないけど」

俺のパジャマを掴む。
「…お、俺が話すから、大丈夫」
「本当に？無理すんなよ」
「で、でも俺の、問題だし。
明日行って、お話する」
よく言うよ全く。
めっちゃ細かく震える蒼真。
こんなんで行く、言えるって。

「馬鹿だなあ」

頭を撫でるともっと泣いて大変だった。
やっぱり怖いんじゃん…。
頼ればいいのに、強くそう思った。

「とんとんして」
布団に入って目を瞑る蒼真のお腹をとんとんと優しく叩く。
これされて寝るとか精神年齢3歳とかだから…。
でも顔を見ると安心しきった顔で寝るから
お腹とんとんは継続で。

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