part 7「心配」 ページ8
「もしかしていつもの店員さん？」
30分ぐらい経った頃だろうか。
聞き慣れた声が横から聞こえてきて、本からゆっくり顔をあげる。そこにはあの胡散臭い常連さんがいた。
突然のことにばくばくとなる心音を感じながら、何を言おうかと目線を彷徨わせる。
「珍しいですね。もうバイトは終わったんですか？」
今日はいつもよりネクタイが緩められていて、彼の漢らしい首筋の線が露わになっている。わたしはどことなく感じる色気に当てられそうになるのを耐えて、真顔を維持した。
『はい。でも傘が盗まれたので雨が止むのを待っていました。』
「え、もう0時32分ですよ？流石に心配なんですけど･･･」
『大丈夫ですよ。普段から明るい道を通るようにしてますから。』
「それでも危ないですって。」
『今まで大丈夫でしたから、平気です。』
ご心配無くと手でVサインを作ってみせても、いつもの胡散臭い笑みはそこにはなかった。ただひたすらに心配している様子が伝わってきて、なんだか申し訳なくなる。そっと手を仕舞った。
「･･･送りましょうか？」
『え』
「家の前までとは言いません。近くまで送ります。」
『いやでも』
「確かに俺も怪しい人の仲間に見えちゃうかもしれませんけど、本当に心配なんですよね。」
『･･････怪しい人とは思っていませんよ。』
ただいつもあの胡散臭い笑みを見てきたからか、今この真剣な顔を見てしまうと疑うことは難しくて。
『･･･じゃあ、お願いします。』
途中まで送ってもらうことにした。
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ゆん - そーめんさんの表現力天才〜！続き待ってます！お体に気をつけてくださいね…！ (3月2日 18時) (
レス) id: ec9d942a77 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - はい、好き〜〜。続き待ってます。 (3月1日 22時) (レス) @page6 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そーめん | 作成日時：2024年3月1日 17時
