part 2 「胡散臭い」 ページ3
『ありがとう、ございます･･･』
自分でもびっくりするぐらいか細い声が出たのはさておき、さっさと会計を済ませてもらおう。その考えに思いついてからの行動は早かった。
『合計で520円になります』
でもこの男性はゆっくり財布を取り出して、ゆっくりお金を取り出した。マイペースな人だな、なんて思いながらお手拭きやらスプーンやらを袋に詰める。
はい520円。差し出されたぴったりの代金とともに、いちごみるくの飴玉が混ざっていた。「いつもこの時間帯にいるよね。お疲れ様です」とねぎらいの言葉も追加して。
「いちごみるく、食べれます？」
『･･･はい。わざわざありがとうございます。』
甘いものは好きなので、この差し入れは普通に嬉しかった。勢いがついたからだろうか。その男性の目を見つめ、微笑んでお礼を言えた。普段会話する時は、相手の口元を見ないと話せないほどには人見知りだったのに。
でもやっぱりすぐ怖気付いて下を向いてしまった。慣れないことをするものではない。手から代金と飴玉を受け取って、レシートを渡す。
『･･･お客様？』
固まっているその手を見て、どうしたんだろうかともう一度上を向いた。するとそこには目を見開いて驚いた様子の表情があって。でもそれも一瞬のことだった。
『あの、どうかなさいました？』
「･･････いーや、なんでもないデス。お仕事、頑張ってくださいね。」
結局またあの胡散臭い笑みを浮かべて、男性は去っていった。なんだったのだろう。そのわずかなもやもやは、すぐに消えていった。
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ゆん - そーめんさんの表現力天才〜！続き待ってます！お体に気をつけてくださいね…！ (3月2日 18時) (
レス) id: ec9d942a77 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - はい、好き〜〜。続き待ってます。 (3月1日 22時) (レス) @page6 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そーめん | 作成日時：2024年3月1日 17時
