#2 ページ23
「＿＿＿まさかキミとペアを組めるなんてね」
「光栄ですわ。＿＿リドル先輩」
1限目 魔法薬学 実験室
今日の合同授業は、『火傷を一瞬で治す魔法薬』を作るらしい。
2年生は履修済みだけどその知識を徹底させる為、私達は難易度の高い魔法薬の錬成方法を見る為だとかなんとか。
そしてそのペア作りの厳正な(はずが結局くじ選びに揉めてクルーウェル先生が適当に渡した)くじ引きの結果が、これだった。
「リドルさんはAさんと組むのがお嫌いで？
それなら僕のくじと、」
「そういう意味で言ったわけじゃない。…ボクも嬉しいよ、A
それにジェイド。くじの交換は禁止されているのを忘れたつもりかい？」
「あぁ、そうでした。ご指摘ありがとうございます」
「……」
相変わらず底の見えない笑顔を浮かべるジェイド先輩をじとりとリドル先輩が見る。…なんだか不思議な組み合わせだ。
「さて、早速取り掛かろうか。まずは材料の準備を…」
「リドル先輩、材料の準備は私にお任せくださいませ」
「でも今日扱う3種類の薬草はそっくりだから、一年生のキミでは難しいんじゃないかい…と言いたいけれど、その様子だと大丈夫そうだね」
「はい。お任せください」
「あぁ。わかったよ」
それではボクは先に鍋の方で待っているね
そう言って背を向けたリドル先輩。
(…信頼されてる、みたいだな)
リドル先輩の仕事を減らしたい一心ででしゃばってしまったわけだけど、彼はそれを理由も聞かずに私の表情だけで許してくれた。
(その信頼に、応えないとね)
「＿＿＿ただいま戻りました」
「随分と早かったね。他の２年よりも早い」
「王女たる者、当然のことですわ」
＿＿持ってきた材料は3種類の薬草と鉱石の粉末と魔法石を浸した水に、魔獣の肝から採った油。
これらを鍋に入れて魔法薬を作るんだけど…
「レシピには水分と油分を“完全に”混ぜなければいけないとありました
…となると、ゆっくり油を注ぐ形ですかね」
「…正解だよ。そこまで完璧だと、教えがいがないね」
そう、拗ねたようにリドル先輩が言う。
(私にとって嬉しい褒め言葉だ)
素直に受け取りたい。
しかしここで謙遜しなければ、らしくない。
「そんなこ「リドル先輩知らなかったんですかー？ウチのAったら天才なんですよ」、！エ、エース…」
先輩に向けるには失礼な、煽るような口調。
そんな調子の横槍にひゅっと喉が鳴ったのは、しょうがないことだった。
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のま(プロフ) - エーメさん» 素敵なコメントをありがとうございます…！そう言っていただけるととても嬉しいです！引き続き頑張って更新させていただきます！ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: eb0df26a11 (このIDを非表示/違反報告)
エーメ(プロフ) - はじめまして！この小説すごく面白くて一気読みしてしまいました！これからも応援しています！更新も無理のないよう頑張ってください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: 30ed0185d7 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます…！そう褒めていただいてとても嬉しいです！展開がわかりやすいように、と気をつけている部分も多かったので本当にとても嬉しい…！(語彙力が…)コメントありがとうございます！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説を読みました。文章が繊細で、ストーリー展開が分かりやすかったです。 (2020年9月17日 18時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - マザーグースさん» あわわ、ありがとうございます…！地道に頑張らせていただきます！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年8月4日 13時
