お仕事の時間#1 ページ16
「うわぁ！水の中に寮がある！」
「マジかよ！すげぇな、ナイトレイブンカレッジって！」
「ふふ、楽しそうですね」
「ちくしょう、騙された」「俺の学園生活お先真っ暗だあ〜！！」なんて不満とイソギンチャクを頭につけた人で渋滞していた鏡舎から移動した先のその景色。
来るのは初めてだという2人の反応が、初々しくて可愛らしい。
つられて微笑めば、ゴホンとジャックさんは咳払いをしてその緩んだ顔をやめてしまった。
「仮にも別の寮の縄張りに入るんだ。浮かれてねぇで、用心しろよ」
「そんな気を張らなくても大丈夫ですよ。誰も食いやしません
もし何かあっても…防衛魔法なら任せてください」
「せめてその何かを避けようとしろよ…」
「…確かにそうですね」
ジャックさんの呆れた視線が刺さる。
残念なことに、そんな事態を避けるよりも対処する方が慣れてしまったんだ。
「＿＿＿あ、私はここで失礼します」
「ん、わかった！」
廊下に差し掛かったところで、そう声をかける。
「？そっちはオクタヴィネルの奴らの部屋じゃねぇか…？」
「談話室やカフェの方では騒がしくて書類整理に集中できないだろうと、アズール先輩の気遣いで空き部屋を使わせていただくんです」
「なるほどな」
(正確には、書類整理じゃなくて着替えの為だけど)
でもそんなこと言えるはずもない。
「まぁ…無理すんなよ」
「！…はい、お二人もどうか無理だけはなさらずに」
「任せて！」
不意打ちでやってきたジャックさんの“デレ”。
続けてユウが可愛く言うものだから、思わず笑みがこぼれた。
さっきまで沈みきっていた気分も、少しは晴れる。
(よし…頑張れそう)
ガチャリ
前回と同じ空き部屋の扉を開けるとそこにはなんとフロイド先輩が！…なんてことは無く。
前回と同じようにベッドの上に置かれた衣装を確認する。
(魔法薬は……机の上か)
…飲まなきゃ、始まらないしね。
「……？」
腹を括って机に近寄れば、魔法薬の瓶のそばに1枚の紙が置いてあった。
「〘済んだらモストロラウンジにお願いします〙…
……確か、ユウ達が向かったのもラウンジの方だったはず……」
丁寧な字で書かれたその内容に顔が歪む。
…ユウ達にあの姿で会いたくなかった、というのが本心だ。
(でもこれも取引のうち。相応の対価…
アズール先輩の発明したそれを教えて貰ったんだ)
そう言い聞かせて、瓶へと手を伸ばす。
蓋を開ければあの悪臭が鼻をついた。
「……うえぇっ」
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のま(プロフ) - エーメさん» 素敵なコメントをありがとうございます…！そう言っていただけるととても嬉しいです！引き続き頑張って更新させていただきます！ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: eb0df26a11 (このIDを非表示/違反報告)
エーメ(プロフ) - はじめまして！この小説すごく面白くて一気読みしてしまいました！これからも応援しています！更新も無理のないよう頑張ってください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: 30ed0185d7 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます…！そう褒めていただいてとても嬉しいです！展開がわかりやすいように、と気をつけている部分も多かったので本当にとても嬉しい…！(語彙力が…)コメントありがとうございます！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説を読みました。文章が繊細で、ストーリー展開が分かりやすかったです。 (2020年9月17日 18時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - マザーグースさん» あわわ、ありがとうございます…！地道に頑張らせていただきます！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年8月4日 13時
