#2 ページ33
「にしても、さすがヴィルさんですね。Aさんが別人のようです
ただ、マジカメに投稿するのは少し待っていただきたい」
「…ワケを聞こうかしら」
「本校の正式入学者の中で、女子生徒はAさんたった一人です
いくら男子生徒用を着ているとはいえ、体型が女性のものだったら外部に特定されるのも遅くはない…その写真のまま、SNSに投稿するのは大変リスキーです」
(確かに…)
ヴィル先輩の女子顔負けの美貌と、メイクされた自分の顔に意識が向きすぎて、すっかり体型の違いを忘れていた。
(…でも、)
「失念してたわ。ごめんなさいね、A」
「いえ、お気になさらず…しかしアズール先輩、この体型の違い、“男子生徒の女装”で片付けられませんか？」
「通るとは思います…が、貴方は163cmと小柄だ。不安要素は残ります」
「うっ…(女子にしては高い方なのに…！)」
なんでここの人はすぐ、小さいだの小柄だのというんだろう。
(納得いかない)
そんな私の不満なんて気付かれるはずもなく。
アズール先輩は、「そこで、僕からの提案です」と商人の顔で言った。
「僕のツテで写真の加工技術に優れた人がいます
彼に身長を170cm程度まで伸ばしてもらいませんか？」
「アンタ達はどう写真を撮るつもりだったの？」
「シークレットシューズとその分丈の長いズボンを既に用意しています」
「なるほどね…気は進まないけど、失念していたのは事実だし…
アンタの誘いに乗るわ。何がお望みかしら？」
「大したことではありませんよ。…Aさんのこの姿を知っている人に、口封じをお願いします」
「妥当ね」
(身長といい、靴のサイズといい…なんで知ってるの？？)
二人のやり取りを聞く中で、理由を聞きたいような聞きたくないような、そんな疑問が浮かぶ。
「これで無事にデビュー出来そうですね。ふふふ…」
(…聞かない方がいいな)
世の中、知らなくていいこともある。
胡散臭いアズール先輩の笑顔を見て、そう考えをまとめた。
「徹底的に素性を隠したいなら、偽名があった方がいいんじゃないかい？
“メール”なんてどうだろう。“海”という意味だよ」
「…ルーク、考えてたでしょう」
「まさか！麗しい姫君を見ていたら思いついたまでだよ」
「確かに、偽名は必要ですね…それでいきましょう
それじゃあAさん、カフェの方で写真を撮りますよ」
「……はい」
そのアズール先輩の言葉に、私は無言でスマホを取り出した。
もう少しかかります
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遙(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» ありがとうございます…！朝からテンション上がりまくりです笑これからもよろしくお願いします！ (2020年5月11日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - 面白いです! (2020年5月11日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - むうまさん» コメントが、来てる…？？お祝いありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！！( ´ ` *) (2020年5月4日 11時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
むうま - 遅くなりましたが、続編おめでとうございます！！更新頑張ってください！！ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 0f25994282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月23日 9時
