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1番上の兄は、陽だまりのように暖かい人で、忙しい筈なのに何度も遊んでくれた。
2番目から4番目の兄は立て続けに騎士団や魔法士団に入っていて、業務連絡でしか関わった事がない。
5番目の兄は国1番の魔法医術士になったらしいけど、会ったことは殆どない。
6番目と8番目の兄は、他の国に婿入り。
パーティでたまに会うくらい。
7番目の兄は駆け落ち。
9番目と10番目の兄はまた騎士団や魔法士団に。
11番目の兄はよく絵本を読んでくれた。しかし体が弱く、病と戦う日々が続いている。
そして1つ上の、一番歳が近い兄は昔はよく遊んでくれた気がするのに、レッスンが始まった頃から話しかけてくれなくなってしまった。
(よく考えたら、遊んでるのは殆ど1番上の兄様だな)
(…まぁ、こんな包み隠さず言う気はないけど)
「まず、1番上の兄は次期王になられるお方ですが…優しいお人柄で、忙しい中にもかかわらずよく遊んでいただきました。他の兄様も同様に優しい人ばかりで、よくレッスンの合間に遊んでいただきましたわ」
「ほえ〜…優等生の兄弟も優等生なんだな」
「なんか…欠点がないというか」
「そーいうと探したくなるね、欠点」
「！？」
ユウさんのいたずらっぽい笑みに、ギョッとする。
その一方で嘘をついたことへの罪悪感に襲われて、胸が痛かった。
(欠点だらけですよ、私は)
完璧なんて嘘だ。最初から出来たものなんて一度もない。勉強だって最初は嫌いで嫌いで嫌いで。
国の為なんかじゃない。愛する母の為だけに努力してきただけ。
「……い、」
(いっそ、母を嫌いになれたらいいのに)
嫌いになれたら、したくもない“完璧”なフリなんかもうとっくにやめれたというのに。
…どこかでまだ、母は私を愛しているなんて期待なんかしてるからだ。
「…い…おーい、」
「また考え事か？」
でも、少しずつその仮面の下に隠してきた本音を、出せるようになれた気がする。
＿＿母よりも優先したいと思えるような、人達に出会えたから。
「…眠いのか？」
「眠いわけじゃありませんよ」
「うわっいきなり話すなよ！」
「酷いですね…」
「でもどうして無視してたの、Aちゃん！」
「欠点を探されるわけにはいかないので」
「それだけで無視！？」
今はまだ、都合のいい嘘で考え事を誤魔化す。
私には
(少しずつ、少しずつ変わる…それで、いいよね)
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遙(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» ありがとうございます…！朝からテンション上がりまくりです笑これからもよろしくお願いします！ (2020年5月11日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - 面白いです! (2020年5月11日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - むうまさん» コメントが、来てる…？？お祝いありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！！( ´ ` *) (2020年5月4日 11時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
むうま - 遅くなりましたが、続編おめでとうございます！！更新頑張ってください！！ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 0f25994282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月23日 9時
