#3 ページ21
＿＿＿＿＿＊＿＿＿＿＿
「……信じられない…」
思わず漏れた、その言葉。
目の前に広がる光景が美しすぎるからではない。
“ありえない”からだ。
でもありえるとするなら…
「…………精霊士…」
ポツリと、隣に座っていたアズールが呟く。
…やはり、彼も同じことを考えていたらしい。
ここでは魔法で大規模な天気の操作はできない。
精霊が温度の調整をしているから。
操作をするにせよ、高い魔法力が無ければいけない。
けれど、彼女はそもそも魔法を使えない。
「……そういうことか…」
アズールの呟きに、ジャミルがそうこぼす。
…彼女について一番詳しいはずの彼も、知らなかったのか。
＿＿『精霊士』はその名の通り、精霊から力を借りることのできる人々。
魔法力を持つ人が増えるにつれてその数は減り、今ではもう確認できなくなった。
はずなんだけどね。
今自分も目の前で起こっている事は、精霊士の仕業としか考えられなかった。
「カリムさんもジャミルさんも知らなかったのです？」
「彼女が天気を変えられることは知ってた。そういう一族だしな。ただ実際目にするのは初めてだ」
「一族で天気を…！？…金の成る木じゃないですか」
「あ？」
「っ！」
聞いたことがないドスの効いた声に、光のない目。
…どうやら言ってはいけない言葉だったようだ。
「申し訳ありません、ジャミルさん。冗談が過ぎました」
「……」
その謝罪に、ぷいとジャミルは背を背ける。
相当怒っているね、あれは…
「おやおや…無視されてしまいました」
「アズールくんは胡散臭すぎるんスよ」
「ラギーに同意だね。からかっているようにも見えたよ」
「心外ですね」
そういう割には傷ついた様子はない。
…これだから信用ならないんだ。
「……あ。雪終わっちゃったぁ」
「時間は…十分ほどでしょうか。凄いですね」
一方でフロイドとジェイドはそんな話をしている。
(本当にこの3人は)
「すごかったぞ踊り子ちゃん！」
「最後なんて言わずにまだまだ踊ろうぜ！」
「どんな魔法使ったんだ！？」
「魔法じゃねえって言ってただろ」
「はぁ！？じゃあなんなんだよ」
(まずいな)
彼女を称賛する声に、訝しむ声。
…仮に彼女が『そう』だとして、それがここで知れ渡るのはいいことじゃないだろう。
「カリム、今日の宴はこれで終わりなんだね？」
「んーだったけど、皆もっとやりたがってるし、」
「終わりなんだね？」
「！？お、おう」
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のま(プロフ) - コッペパンさん» 更新止まってしまって申し訳ないです泣。応援ありがたいです…！最近リアルがばたついていて、相変わらずの不定期更新になりますが、完結まで頑張ろうと思っていますので、引き続きよろしくお願いします！m(__)m (2020年9月5日 16時) (
レス) id: 7b6725898c (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン - このお話本当に好きです……！！！とても良いところで止まっているので続きが気になります！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 応援しています！これからも頑張ってください！ (2020年8月22日 18時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - アヤさん» ざわざわ…()実はTwitterで習得済みの知識だったりします(。あの描写をどう捉えるか…全て読者様次第です笑 (2020年8月3日 22時) (レス) id: 354945433c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - すんごいどうでもいい話なんだけど、タコの8本足の内一本は珍子らしいよーってツイステ民の5割りが騒いでた(( (2020年8月2日 2時) (レス) id: aa6ec04d37 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！これからも頑張ります〜 (2020年8月1日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年6月13日 19時
