オンボロ寮の友#1 ページ7
「＿＿＿いらっしゃいますか〜？」
オンボロ寮を適当に掃除していれば、
突如間延びした学園長の声が響いた。
(ユウさんについての話が終わったのかな)
そんな軽い気持ちで、寮の扉を開ければなんと、
「…なぜユウさんがこちらに？」
学園長がユウさんと一緒に立っていた。
「実は元の世界に戻るまでの宿を保証する事にしたんです」
「…なるほど、やはりすぐには元の世界に戻れない、と」
「えぇ、はい」
話の流れ的に、宿はこのオンボロ寮の事だろう。
(私としては嬉しい限りだ)
彼女は帰りたいかもしれないが、
私はこの展開を歓迎する他ない。
「よろしくお願いしますね、ユウさん」
「は、はい…よろしくお願いします！」
(良い子っぽいなぁ)
そんな子と一緒にこれから暮らせるのか、
本当、嬉しい限りだ。
「それでは私は調べ物に戻りますので、
適当に過ごしていてください」
「その調べ物に私の寮に関する事も入ってますよね？」
「……えぇ、勿論です」
(なんだ、今の間は…)
「ユウさん、学園内はウロウロしないように」
「は、はい！」
「では！」と学園長がこの場を去る。
「…」
「…」
「…取り敢えず、ユウさんの部屋を選びましょうか」
「よろしくお願いします…」
急に二人きりになって、お互いぎこちない。
(じきにに慣れると思うからいいけどね)
薄暗く埃の積もった階段を上って、二階に案内する。
「取り敢えず、寝泊りに使えるのは二階の部屋ですね
ここの三部屋が一番マシそうでしたが…
どちらか希望はありますか？」
「じゃあ、真ん中の部屋で」
「わかりました」
忘れては困るので(忘れる気がしないけど)、念の為ネームプレートを作ってドアに付けておく。
「す、凄い…！」
「…ふふ、ありがとうございます」
元の世界に魔法がなかったのだろうか。
キラキラと目を輝かせて言うユウさんに、
悪い気はしなかった。
(純粋だなぁ…眩しすぎる)
そんな彼女に私は言う。
「魔法で治すのは簡単ですが…
あえてこのままでいくのはどうでしょう？」
「あ、あえてこのまま？」
「このボロボロな感じ…趣がありませんか？」
まぁ最低限は住めるようにしますが
そう言ってユウさんの部屋に魔法をかければ、大きな床の穴は塞がり、硬く閉ざされた窓や棚も開くようになった。
「ホント凄いです…え、えっと、」
「あ、」
ユウさんのその様子に「しまった」と顔を顰める。
私とした事が…気遣いができていなかった。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
