貿易国の王女#1 ページ38
「やっとお昼休みなんだゾ〜〜〜！！！」
授業が終わって昼休み。
随分ご機嫌なグリムさんの声が、大食堂に響く。
おかげで悪目立ちだ…適当になだめても、「鶏肉のグリルがいい！」などとこれまた大声でユウさんに指図する始末。
「うるさいですよ」
「うっ…」
「それにユウさんは貴方の召使いか何かですか
怒りますよ？」
「も、もう怒ってる気がするんだゾ…」
少し声のトーンを落として注意すれば、やっと落ち着いたようだ。
(さて、私はデュースさんのアイスカフェラテでも取ってきますか)
エースさんのチョコレートクロワッサンはもう買って渡してある。
これで豪華って言うんだから、(やっぱり違うな)と改めて感じさせられた。
「じゃあ行ってきますね」
「うん、席はここ取っておくよ〜」
「はい」
そう背を向けた直後、「どう落とし前つけてくれんだよ！」なんて声が聞こえてくる。
(…ええい！)
騒ぎの元凶にグリムさんがいない事を祈りながら私はアイスカフェラテの元へ急ぐ。
(もし、もしグリムさんに原因があったら今度こそ許さないんだから！)
「グッピーちゃん♡」
「ひっ」
そう意気込みながらアイスカフェオレを受け取れば、呼ばれたそのあだ名。
ブリキの人形みたいにギギギ、とゆっくり振り向き顔を上げれば、中庭で無視してしまったフロイド先輩が居た。
「なんでオレのこと無視したの？」
ねぇなんで？と聞いてくる彼の目は笑っていない。
(どう答えるのが正解なんだ！)
何を言っても地雷を踏み抜きそうな予感に、私は口をパクパクと開けては閉めてを繰り返すだけで、何も言えない。
「…っあは、パクパクさせて魚みてえ」
「！？」
それがたまたま功を奏したのか、フロイド先輩は笑い始める。
(た、助かった)
「で、ではこれで失礼しますね」
「ヤダ」
「ぐえっ」
でも解放はしてくれないらしい。
アイスカフェラテをなんとかこぼさないようにしながら、どうすればユウさん達の元に戻れるか考える。
(…ダメだ…思いつかない)
(せめてこの人のストッパー＿ジェイド先輩が居ればなんとかなりそうなんだけど…)
「ふふ、楽しそうですねフロイド」
「おや…彼女は噂の王女様じゃないですか」
噂をすれば、ジェイド先輩とどこかで見たような眼鏡の先輩が現れる。
(もう誰でもいいや…早く助けて！！)
「コイツ、ちっこくていい匂いすんの」
「ううっ…！」
昨日のレオナさんみたいに抱き締められて、私の心臓はもう破裂しそうだった。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
