変幻自在の#1 ページ11
「ヒッヒッヒ…お前さん、
今日は呼び出されていたんじゃなかったっけ？」
「……」
(何か居ると思ったら…)
目を開ければ、相変わらずボロボロな部屋と半透明なその姿が視界に入る。
「…ゴーストさん、お邪魔してます」
「…驚かないのかい？」
「居るってことは知っていましたので」
「悪戯しがいがないなぁ…」
軽い会話をしながら身支度を整える。
(ユウさん達はもう起きているだろうか…)
ユウさんが掃除をしたのか、多少綺麗になっていた階段を降りると、何故か学園長の姿があった。
「あぁ、やっと起きたのですね、Aさん」
どうやら私が最後だったらしい。
「色々疲れていましたので…学園長はなぜここに？」
「ユウさん達に、早速仕事をお願いしに来たんですよ」
その説明は既に終わっているらしく、内容が気に入らなかったのか、グリムさんがふてくされている。
「じゃあ、よろしくお願いしますよ
…さぁ、Aさんはこちらへ」
「またね、Aちゃん」
「お仕事、頑張ってください」
「うん！」
一緒に朝ごはんを食べたかったけれど、仕方ない。
学園長の後に続いて歩けば、
昨日入学式が行われた鏡の間についた。
「まずは当時の通りにやってもらえますか？」
「はい」
闇の鏡の前に立てば、
あの時のように名前が聞かれる。
「汝の名を告げよ」
「A・ウェスターです」
「汝の魂のかたちは…ふむ…」
「……」
「……わからぬ」
(やっぱりダメか…)
1日空けたら、とかそう言う問題ではないらしい。
(まぁそうだろうとは思うけど)
「闇の鏡よ！何か他にわかることを述べたまえ！」
「……変幻自在…」
「…？」
「この者の魔力は、色も形も、定まっていない…
強いて言うならば…全ての寮に適性を持つ」
「えぇっ！？」「！？」
先生は素っ頓狂な声を出し、
私は驚きのあまりに声が出ない。
(『全ての寮に適性』…？)
(サバナクローは絶対にないと思っていたのに)
闇の鏡は、入学式での事が嘘のように饒舌に続ける。
「求められればそれに応えて魔力も性格さえも変わる…まさに変幻自在の魂」
「！」
(……嫌味だ)
それはまるで、周囲の期待に応え続けた、私の人生を言っているような。
私にとって、嫌味にしかならない、その言葉。
(遠回しにアイデンティティが無いって言われたようなもんね)
「あぁ…！なんて素晴らしいのでしょう！！」
「……」
複雑な心境の私の一方で、
学園長は全身で喜びを表現する。
(…はぁ)
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
