【ポケモン】オレさまが現れた！【逆トリ】

答えは見えない ページ5

「キバナさん、そろそろ寝たいので寝室行ってください」
「なんでだよ」


ソファーでグデーッとしているキバナさん。
私がお風呂から出てからずっとこの調子だったが、そろそろ寝たいので本当にどいて欲しい。


「オマエが寝室行きゃあいいだろ」
「…私はここにお客さん用の敷布団引いて寝るんで」
「なんでオマエが客用の使うんだよ」
「お客さん用の方がふかふかなんで」


私、ふかふかで寝たいです。
そう言えば、呆れた目で見られる。


「早く行ってください」
「なんか納得いかねぇな…」


ぐいぐいと背中を押せば、渋々といった様子で移動してくれた。



「……ふぅ」


寝室に彼を押し込んで、リビングに戻り、一息。

(毛布の要らない季節でよかったなぁ…)
ジメジメとした梅雨が、もう直ぐ明けるというこの頃。
気温もそこそこ上がってきて、最近は汗対策に追われている。

さっきまでキバナさんがグデーッと寛いでいたソファーに横になれば、今日の出来事が思い返される。


「…“ガラル地方”、かぁ」


カントー地方、ジョウト地方、ホウエン地方、シンオウ地方、イッシュ地方…
10月頃には最新作である『XY』が販売されるんだっけ。
確か、そこの舞台はカロス地方。


「んー、やっぱり聞いたことないな」


彼の暮らしていたその地方では、ジムチャレンジというシステムがあったり、ワイルドエリアとかいう場所でキャンプが出来たり…キョダイマックスなんていう技？もあるんだとか。

…うん、知らないね。


「にしても、謎だ…」


何故“ポケモン”の世界の住人が、こんな世界にいるのか。


(……………案外これは夢なのかもしれない)
考えに考えて、行き着いたこの答え。
最近は仕事が多くて定時内に終わらせようと躍起になってたし、その疲れが出てるのかもしれない。


「…寝よ」


ソファーのクッションを枕代わりにして、目を閉じる。
本当に疲れていたのか、私はすぐに意識を手放していた。

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