オレサマ様様 ページ14
「…で、これから帰ってくるのはこのくらいの時間だと」
「はい」
カレーを食べながら遅くなった理由を話せば、「なるほどなぁ」と言ってキバナさんは続ける。
「んじゃあ、これくらいの時間に飯な」
「どうしてそうなったんですか」
ほんとにどうしてそうなったんだ。
さっきも言ったけど、この時間帯に食べたくないのに…
キバナさんだって、先に食べてお風呂入って寝てくれていいのに…
「不満そうだな」
また顔に出ていたのか、キバナさんが言う。
「だって、私を待つ理由がわかりません」
「オレがオマエと一緒に食いたいの」
「……なんで、そんな事言うんですか…」
そう言われると、弱い。
項垂れれば、「明日は何がいい？」と呑気に聞いてくるこの男。
「なんでも「あ、『なんでもいい』はナシな」………」
(この人、ほんとに私の心を読みすぎじゃない？)
……ポケモントレーナーだから、そういうのが得意なのか…？
だとしたら、流石だ。
(ってそうじゃない)
私が黙り込んで考えているこの間にも、キバナさんはその水色の瞳をキラキラさせてこちらを見ている。
「…オムライスで」
「おむらいす、か。わかった」
そう言ってメモ帳にメモを取るキバナさん。
…え、待って待って。
「もう、何も見ずに書けるんですか？」
「ひらがなだけだけどな〜」
薄々気付いてたけど、この人、かなり頭がいいんじゃないだろうか。
(全然そんなふうに見えないのに…)
「…オマエ、失礼な事考えてねぇか？」
「！？」
また思ってる事が…！？
この男、恐ろしい…
(キバナさんの前で、下手に考えるのはやめよう…)
「考えてないですよ」
「…まーいいけどよ」
ごちそうさまでした、と続けてキッチンに食器を運び、水につける。
少し逃げるようになったせいか、キバナさんの疑いの目が痛い。
「お、お風呂入ってきますね！」
「おー」
視線に耐えられず、お風呂に向かう。
朝に洗っておいたし大丈夫…ってあれ、お湯張ってない⁉
それに気づいてお風呂の蓋を開けて確認すると…
「嘘でしょ…」
ぬるくなっているものの、しっかりとお湯が張ってあった。
…よくよく考えたら、昨日もお湯を張った覚えがないのに普通にお風呂に入ってたな。
(キバナ様様じゃないか…)
と同時に自分のボケ具合に驚愕する。
慣れない事ばかりだったとはいえ、酷すぎだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遙(プロフ) - HA LUさん» 嬉しいお言葉です…！他ジャンルに沼ってしまい、ゆっくりな更新ペースになると思いますが、どうかよろしくお願いします (2020年5月19日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
HA LU(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月17日 18時) (レス) id: 4520b61900 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 闇夜月さん» 毎日更新出来なくて申し訳ないです…！コメントありがとうございます！ (2020年4月14日 15時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜月 - とても面白いです！毎日更新を楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2020年4月14日 10時) (レス) id: 07dc54a395 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 青さん» 嬉しすぎるお言葉です…！昨日更新できなかった事が悔やまれる…ありがとうございます！がんばります！ (2020年4月4日 11時) (レス) id: 2dcdbc064e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遙 | 作成日時：2020年3月26日 20時
