一歩一歩前へ ページ12
「へ…？私が、ですか？」
「あぁ。是非次の新作の化粧水のコンセプトを考えて欲しいんだ」
今日は土曜日。だと言って必ず休みとは限らないのが社会人。
今日も今日とて出社すれば、部長に呼ばれ、言われたその言葉。
(夢に…近づけた！)
「推薦していただき、ありがとうございます」
「佐々木君は良く頑張ってくれているからね」
そんな風に思って貰えてたんだ…
感激しつつ、「失礼しました」と言って自分のデスクに戻る。
「嬉しそうっすね」
「あ、わかっちゃった？？」
「足取りが軽かったっすもん」
…そんなにわかりやすかったのか。
「もう少し感情を抑えられるようにしよう」と決意する一方で、一ノ瀬君には先ほど呼び出された内容を伝える。
それを聞いた一ノ瀬君は、
「おめでとうございます！
先輩、ずっとやりたいって言ってましたもんね」
自分自身の事のように喜んでくれた。
ほんと良い後輩なんだよな、この子…
「うん。まさかこんなに早く任せて貰えるとは思わなかったけど…」
苦笑して返せば、「先輩ならそろそろくると思ってたっす！」と私を持ち上げてくれる。
ほんといい子だよ…！
(……ただ、)
ふと、冷静になって考える。
ゴールは遠い。
あくまでスタートラインに立てただけで、これから商品化を目指すとなるとまだまだ厳しい道のりが続く。
いくらコンセプトを考えさせて貰えるとは言っても、考えるのは私だけじゃないし、採用されるとも限らない。
(うーん…)
「先輩！」
黙りこくって考えていれば、一ノ瀬君の元気な声が私を呼ぶ。
「俺も手伝うっす！また、頑張りましょう！」
「……うん、そうだね」
…最初から弱気になってちゃ、負けにいくようなもんだ。
「ありがとう、一ノ瀬君」
「ただ俺の本心言っただけっすよ！」
「よし…もう大好きな佐々木先輩とは充分戯れたろ
一ノ瀬、ハウス」
「ハウス！？俺犬扱いっすか⁉」
「犬みたいなもんだろ」
「うっ…そんなぁ！酷いっすよ」
先輩と一ノ瀬君のやりとりに、職場の雰囲気がまた明るくなったのを感じる。それに「この会社に入れて幸せだな」と思いながら、私はパソコンに向かった。
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遙(プロフ) - HA LUさん» 嬉しいお言葉です…！他ジャンルに沼ってしまい、ゆっくりな更新ペースになると思いますが、どうかよろしくお願いします (2020年5月19日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
HA LU(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月17日 18時) (レス) id: 4520b61900 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 闇夜月さん» 毎日更新出来なくて申し訳ないです…！コメントありがとうございます！ (2020年4月14日 15時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜月 - とても面白いです！毎日更新を楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2020年4月14日 10時) (レス) id: 07dc54a395 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 青さん» 嬉しすぎるお言葉です…！昨日更新できなかった事が悔やまれる…ありがとうございます！がんばります！ (2020年4月4日 11時) (レス) id: 2dcdbc064e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遙 | 作成日時：2020年3月26日 20時
