出来損ない少女は失敗を恐れる【wrwrd】 (ページ25)

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165話ページ25

ショッピ side

Aさんの部屋で話すこと数分。Aさんが何かを思い出したようで聞いていると、さっきの人の態度の原因がわかった。

「それっすね」
小「え？」
「多分、その人は自分だけ敬語で、距離ある、ってのが嫌なんじゃないすか？」
小「そう、なのかな…でも…」
「ほら、Aさん年上の人にタメとかほとんどしないじゃないですか。だから、じゃないですか？」
小「…そうだけど…」
「今度、タメで話してみたらどうです？喜びますよ」

本当は、嫌やけど。わからないって言ってても多分Aさんはその人が好きで、だから今もこんなに悩んでるんや。

俺にできることはただAさんがもう泣かないように、手伝うしかなくて。

「それとも、今行ってみますか？」
小「え？」
「家、近いんすよね？時間経てば経つほど気まずくなりますよ」
小「で、でも…！」
「ほら、行きましょ」

…何やってんのやろ、俺。Aさんに会うためだけにここまで来て、このままやったらAさんに言いたいこと言えたはずやのに。

Aさんを立ち上がらせて、玄関へ向かった。