検索窓
今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:1,940,441 hit

ページ7








月明かりに照らし出された、窓辺。

よく眠れるように、と哲也がいれてくれた
蜂蜜入りのホットミルクを コトリと置いて、
静かに佇む 夜の気配に耳を澄ます。









「A、」




心地良い 声。
私を呼ぶ、愛おしい声。



カチン、私の置いたカップに
彼が置いたカップが重なって、音を立てた。






同じように重なった手に
指が絡められ、、








「…ふっ、ミルクの味がする、、
子猫みたいだね。」








唇を落とした彼が、目を細くして笑う。






鼻を擦り付け、
柔らかな前髪を揺らす彼の方が
よっぽど子猫っぽい…。









「剛典さん、、」


「…ん?」


「好きです、」






静かに響く衣擦れの音を聞きながら
彼は『知ってるよ、』と答える。









静かな夜に 熱を帯びた吐息が木霊して、
ひんやりとした空気が そこだけ熱く微睡む。






『好きだよ、』

紡がれる言葉に、安堵の溜息を漏らし、
重なる身体の温もりに、心の片隅にある闇を
必死に追い払う。



















月明かりが差し込む窓が 結露している。
外の温度と、部屋の温度が あまりにも違ったせいだろう。





気怠い身体で
ベッドの脇に落ちた衣服に袖を通した。







剛典さん…、






あどけない表情で眠っている彼の頬に
そっと触れてみた。






彼は、私を好きだと思う。
キチンと言葉にしてくれているし、
間をあけずに こうして愛してくれる。





愛されている実感はある。
とても大切にしてくれているし、
彼は とても優しい。







それなのに…







私は、何が不満なのだろう。
何を そんなに恐れているのだろう…








胸の中にある黒いモヤモヤが 渦を巻く、、







そっと彼に唇を寄せて、
その胸に身体を預けた。





彼の腕と、匂いに包まれて眠りにつけば
きっと、この黒いものなんて消えてなくなる。






目を閉じて、彼の鼓動を聞きながら
少しずつ、眠りの中へと導かれていく…






静かな…、静かな、森の夜。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1743 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3907人がお気に入り
設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , TETSUYA,土田哲也   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2016年11月19日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。