Powder Snow 4 〜御曹司との恋〜

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剛典side







あぁ、あの娘、恋人がいたんだ、って
彼の前では、そんな顔するんだ、って…




でもさ、
君が白い封筒を渡すと、彼はすぐに席を立った。まだ、オーダーしたものが来る前だよ？


君は、そんな彼に…笑顔で手を振り、
彼が店を出ていくと…
また肘をついて、外を眺めてた。





運ばれて来たコーヒーから 立ち上がる湯気に、虚しさを感じて、とても見てられなかったよ。








『あの娘、大丈夫かな？』




姉ちゃんが不意に呟いて、次に この目に映した君は、、








「君は、泣いてた、」


「…………」



「静かに、外を見ながら
涙を流してたよ、、」









初めて君に会った時、
君は とても幸せそうな顔をしてた。

二度目に会った時は、友達と笑ってた。
三度目に会った君は、泣いていて…





あの男に 無性に腹が立った。
もっと、大事にしてやれよ、って…


彼女には、笑顔の方が似合うのにな、って







そう思ったら、
自然と足が君の方へと向いていて、


『コレ…、よかったら、、』




差し出したハンカチに、君はびっくりした表情を見せたけど、黙ってハンカチを受け取ってくれたよね。









「ねぇ、見ず知らずのイケてる男にハンカチ貰ったことない？」




「…………ハン、、カチ、、？」








それ、俺なんだけど。

あの後、姉ちゃんと健二郎に
すごく冷やかされちゃってさ、









「君は、泣いてる顔より
笑ってる顔の方が可愛いよ、」




「…あっ！！そのセリフ！！
……あの時の、、
剛典さんだったんですか！？」







あの時と同じ顔した びっくり顔の彼女が、
勢いよく俺の胸を押す。






「三度目は、見かけたんじゃなく
会ってるでしょ？

まぁ、Aは覚えてなかったけど…」






記憶力、良いなんて嘘じゃない？







Aの前髪を
スッと指で横に流し、








「あの時にね、君の涙を見て 思ったんだ。
この娘が、この先 幸せでありますように、
笑顔でいられますように、って…」




「……剛典さん、、」







「だからね、誓うよ。
もう、君を泣かさない。
君の笑顔は、俺が守るよ。」








約束だよ。
だからさ、、、







「ずっと、俺の傍に…いて、、」







そっと触れた唇は、
少ししょっぱくて、涙の味がした…。

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