康二? ページ7
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職員室から教室へ戻ると、康二しかそこにいなくて。
康二「お!おかえり〜。ジュース買いにいかへん?」
『うん行こうかな』
康二「なんでも好きなやつ選び〜」
いじっていたスマホを机に置いて、2人で1階の自販機へ向かう。
康二「めめな、待ってたんやけど、他の人のところ行っちゃった」
『他の人?ラウちゃん?』
康二「ラウは違うんやけど…ん〜、まぁ、女の子!」
『……あぁ、なるほど』
康二が気まずそうに濁したけど、なんとなーく気付いた。
目黒蓮が告白されるなんて、もう日常茶飯事。
ぜんっぜん、気にしてない。
康二「……何か、しょんぼりしてる、」
『へ?』
康二「めめのこと、」
康二が財布を持っていない反対の手で、私の前髪を直してくれる。
もしかしてずっと変な前髪だったのかな。それはそれで嫌…かも、
康二「めめのこと、好きなんと違う?」
『…………なんで?』
人のこと、しょんぼりしてるっていうくせに。
康二が一番しょんぼりしてる。
『蓮くんは、』
ただの友達だよ、と言おうとした瞬間に、楽しそうに女の子と笑って歩いてくる目黒蓮を見つけた。
目があったのか、あわなかったのか、そんなことは分からなかったけど、
康二「…ちょっとごめんな」
『康二?』
目黒蓮から隠すように、そこそこ大きな康二が私のことをぎゅっと抱きしめる。
『……康二、カルピスぬるくなっちゃうから、教室戻ろっか』
康二「……ん。せやな。もどろ!」
ちょっとだか顔が赤くなった康二の腕を引っ張って、教室へ向かう。
当たり前だけど、目黒蓮はいなかったから、理由もなく、保健室でさぼることにした。
康二「あ!!あとで連絡するわ!」
『うん。じゃあね〜』
さぼり癖がついたのは、きっとお兄ちゃんのせい。
珍しく保健室も混み合っていて、私がベッドを使えそうにもない。
『あーーあーー。もう、何か切ない、』
この切なさの理由を誰か教えて。
広い校舎とグラウンドを一望できる屋上で、ぼーっと時間を過ごす。
?「うわ。お前なんでここにいんだよ」
『……うわっ、お兄ちゃん!』
反応が似るのも兄妹の特徴なのかも。
思わず2人で笑って、屋上のさらに一番上の、お兄ちゃんのオススメの場所でごろごろすることにした。
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作者名:ぴよまる | 作成日時:2021年2月26日 12時