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「なんで来たんや」
そんなジュンタの問いかけが聞こえていないように
座っていたAを抱え上げて
頬ずりするシゲに
Aは小さな両手で頬を押し返しながらお久しぶりですとはにかんだ。
「明日出ていくからお世話になりました〜って挨拶しようと思てんけどまさかAちゃんに会えるなんてなぁ!!」
ひときわ大きく周囲にシゲの声は響き渡る。
「声が大きい!」
慌ててその頭を叩くとAを抱えたまま
あからさまに口を尖らせた。
「んな、ここにいる時点で怪しいですやん。さっさとせーへんと通報されますよ」
通報という言葉にAは反応した。
今朝父が話していたヤードという言葉が浮かんだ。
人攫いが頻発しているイギリスでは最近ヤードがようやく本格的な捜査を始めたこと、そして疑いをかけられると酷い扱いを受けるとも。
私が遅くなったことで攫われたと勘違いされればジュンタは最初に疑われるだろう。
迷惑をかけないと昨年約束したのに。
「どうしたん?」
「帰らなきゃ、お父様達がジュンタを通報してしまう」
Aの様子に二人は顔を見合わせると直ぐに彼女が発した言葉の意味を咀嚼した。
確かに普通通報とは、ヤードを連想するだろう。
二人の世界では、そんな生易しい者から追い回されるわけではないが。
しかし、会話の片鱗一つでヤード、そして多発している人攫いまで頭がめぐる辺り本当に。
『淳太くんも厄介な子を生かしましたなぁ』
小さくつぶやくと
大丈夫やと笑いかけた。
「ヤードは簡単にまけ「そやな、帰ろか」
またいたらないことを言い出す前に
Aへおいで、と腕を伸ばす。
大人しくジュンタの腕の中に納まると
ジュンタは羽織っていた黒いマントを翻してAを隠す。
「ここを抜けるまでは我慢してな」
さすがにこの子を連れて歩くには目を引く。
闇で何をしていたのか疑われるのは自分とこのバカで十分だ。
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みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» 大丈夫ですよー^^無理やりのキスも萌えますよ!!!(もしかしてハルオミさんと私だけの特別な性癖……)2章楽しみにしてます^^ (2017年1月13日 1時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです……。いいですよね!!私だけの性癖とかじゃないですよね!?中々惹かれる方いますよね!?って思いながら書いてました。笑二章もお付き合いいただけると嬉しです! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» やっと一章終わりましたね!お疲れ様です^^いや、ですがあのキスもなかなか萌えます笑1人で「超いい……」とかやってましたもん笑笑幸せなキスも楽しみにしてますw (2017年1月7日 19時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» ああああ!!ありがとうございます!!めちゃめちゃうれしいです!!キスまで長かったんですよ……しかも色々誤解を生むような……くそぅはよう幸せなキスしてくれや!と思いながら書いてます。笑今後ともよろしくお願いいたします! (2017年1月5日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - この話めっちゃ好きです!!頑張ってください!!!!キスまで長かったァ〜〜!!! (2017年1月5日 22時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナチル | 作成日時:2016年12月10日 22時