𓂅 ページ5
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「……やあ。久しぶり」
ある程度、予想していた。
そこに揃う面々に、やっぱりと思ってしまったし。
「若武、上杉、黒木に、美門、それに七鬼」
「……久しぶり、だな」
「つっても、学校で顔は合わせてるだろ。七鬼以外」
元・KZメンバーが勢揃いするのは、
本当に久しぶりだった。
みんながみんな、小さな花束を持っている。
色とりどりの、花束を。
七鬼以外は学校で顔を合わせることはあっても、
会話はほとんどしない。
そして、それは秀明でも然り。
だから、久しぶり、といった言葉の方が合っているのだ。
「時間が合ったのなんて、あの日以来だな」
「そう……だね」
七鬼の言葉に、そんなに経ったんだと思わずにはいられない。
みんながみんなが、哀愁とした雰囲気を漂わせていた時。
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「……え？」
聞こえるはずのない声が聞こえた気がして、パッと後ろを振り向く。
けれど、そこには立花家の墓、と書かれた墓石しかなく。
なんだ、空耳か。
……いや。この声が本当に聞こえるなんて、そもそもありえない。
会いたすぎて、とうとう耳までおかしくなったみたいだ。
自分の心の弱さにそっと目を伏せた、
────その時、だった。
『────だーかーらー、
みんななんて顔してるの。ここはお通夜なの？』
ふわり。桜の花びらが舞った。
今度こそ、いや。やっぱり聞こえた声に、今度は幻聴じゃないことを悟る。
だって、ここにいる全員が、驚愕を露わにしていたから。
桃色の花弁が舞う、その中で。
一緒に舞い降りてきた、人がいた。
ミルクティーベージュの肩まで伸びた髪。
大きなパッチリした茶色い瞳。
ぜんぶを全部、わすれられるわけなんてなかった。
わすれてもいいと言われても、
わすれる方法なんて、知らなかった。
「あー………や？」
この世に存在しない人。
1年前に、この世を去ってしまった人。
わかってる。そんなの、わかってるんだ。
けれど、今目に映るその姿と、
鼓膜に響く涼やかな声は、まぎれもなく本物だった。
『ひさしぶり、みんな』
彼女はそう言って、あの頃となんら変わらない声で、微笑んだ。
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A - 完結おめでとうございます！掲載当初からずっと追ってきた作品で、毎日更新されていないか確認するぐらい大好きな作品です。本当に完結おめでとうございます。ここまでおつかれ様でした。そして、こんなに素敵で感動する、最高の作品をありがとうございます！！ (8月4日 12時) (
レス) @page50 id: 6c0c6ff6b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます。主さまの書かれるどこか儚いような、綺麗でどこか切ない文章がだいすきです。 (8月3日 17時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 完結おめでとうございます🎊私も天奏さんと同じでたくさん泣きまくりました。「春の向こう側で、きみを待つ」やあとがきで伝えてくれたことはとっても大切で、この話を読んで改めてまた、しっかり生きようと思わせてくれました。本当に天奏さんはすごいと思います！ (8月3日 15時) (レス) id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - わかりました！あと土下座はしないでくださいね。こっちまで申し訳ない気分になるので！ (8月1日 12時) (レス) @page42 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - ユメさん» たいっへん長らくお待たせしてしまって土下座したい気分です有言不実行な作者ですみません……。あと一話更新したのち、完結まで突っ走れると思います！これはほんとです！！あともう少しだけ、彼らのお話に付き合ってもらえるとありがたいです。 (8月1日 9時) (レス) id: 9f30b1fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天奏 | 作成日時：2022年6月9日 16時
