𓂅 ページ16
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「……あの、さ。
来たはいいけど、アーヤの家族って家にいるの？」
「さ、さあ」
『そのことなら心配しないで。
今日は、みんな家にいると思うから』
「そ、っか」
アーヤの家の前にて。
彼女の頼もしすぎる言葉に相槌を打った。
アーヤが言うのなら、そうなのだろう。
僕らにはわからないけど、
アーヤの今までの発言を聞く限り、
見ていたという言葉は間違いではない気がするし。
いつもバカ元気な若武も、
この時ばっかりはとても緊張しているようだった。
それはそうだろう。
あの日。お葬式での、
アーヤの母の言葉は、二度とここには来まいと、
そう決意するほどのものがあったのだから。
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チャイムを鳴らすのを躊躇うほどの、
あの日の言葉。戒め、縛り。
それほどのことを、僕らはしてしまったのだから。
『───みんな、恐れないで』
こんな時、いつも彼女は、
僕らの背中を押すのではなく、
肩を叩いて笑いかけてくるような声を上げる。
『私の�犹爿瓩妨�き合うことを、
恐れないで』
真っ直ぐと、アーヤの自宅に向き直る彼女の言葉に
ぐぐっと両手を握り締める。
……受け止めなければ。
アーヤの家族の憤りも、憎悪も、悲哀も。
それが、いまの僕らにできる、精一杯だから。
若武が、意を決したように顔を引き締めて、
チャイムを、押した。
────ピンポーン。
『…………はい、』
聞こえてきたのは、男の人の声だった。
低くて、でも落ち着いたトーンの声。
「突然すみません。僕たちは、アーヤ……、
立花彩さんと秀明で友達だった者です。
少々お時間をもらえないでしょうか」
ほぼ一息で言い切った若武の言葉を聞き終わるや否や、ぷつりと途絶えるインターホン。
これってまさか……門前払い？
みんな同じことを思ったのか、顔を見合わせて
揃って肩を落とす。
そりゃ、門前払いにもなるよね……。
僕らの顔なんて見たくもないだろうし……。
「……全員、一旦俺の家に、」
そう、くるりと方向転換しかけた時。
がちゃり、と開くはずのなかった扉が開いて。
「きみたちは……彩の友達？」
そこから顔を覗かせたのは、
あの日、僕らに二度と顔を見せるなと言った
アーヤの母ではなく。
すこしやつれた様子の、
お父さんだった。
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A - 完結おめでとうございます！掲載当初からずっと追ってきた作品で、毎日更新されていないか確認するぐらい大好きな作品です。本当に完結おめでとうございます。ここまでおつかれ様でした。そして、こんなに素敵で感動する、最高の作品をありがとうございます！！ (8月4日 12時) (
レス) @page50 id: 6c0c6ff6b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます。主さまの書かれるどこか儚いような、綺麗でどこか切ない文章がだいすきです。 (8月3日 17時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 完結おめでとうございます🎊私も天奏さんと同じでたくさん泣きまくりました。「春の向こう側で、きみを待つ」やあとがきで伝えてくれたことはとっても大切で、この話を読んで改めてまた、しっかり生きようと思わせてくれました。本当に天奏さんはすごいと思います！ (8月3日 15時) (レス) id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - わかりました！あと土下座はしないでくださいね。こっちまで申し訳ない気分になるので！ (8月1日 12時) (レス) @page42 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - ユメさん» たいっへん長らくお待たせしてしまって土下座したい気分です有言不実行な作者ですみません……。あと一話更新したのち、完結まで突っ走れると思います！これはほんとです！！あともう少しだけ、彼らのお話に付き合ってもらえるとありがたいです。 (8月1日 9時) (レス) id: 9f30b1fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天奏 | 作成日時：2022年6月9日 16時
