憂鬱のシスター (ページ10)

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10羽ページ10

ホリデー、皆は里帰り
私はグリムと一緒に学園に残った
だって、私には帰るとこがあるけど帰れない

静かになった学園内を散策していれば、見知った姿が見えた

あれは‥目で追いかけるが、自然と身体が動き角を曲がった人物を追いかける

「A先輩！」

『‥あら、貴女

それと猫ちゃん』

「グリム様なんだぞ！いい加減、覚えるんだぞ！」

『ふふ、その姿で怒っても可愛いだけね』

「(笑った‥)」

「にゃっ‥！？」

グリムの前にしゃがみ、人差し指で額を軽くつつくA先輩

髪はいつものツインテールではなく、着ている服は私服
制服ではない、という事はホリデーは里帰りなのかと納得
でも、なんでここに？首を傾げ見つめた

A先輩、帰らないのですか？
そう聞けば、耳に髪をかけながら私を見つめてきた

『‥帰りたくないの、泊めてくれる？』

「え？」

グリムを抱き上げ、そう言った先輩
私は耳を疑った、帰りたくないのって‥なんでだろう、普通なら喜んで帰るのに
帰りたくない理由でもあるのだろうか

暫くの静けさ、‥なんてね、冗談よ。迷惑はかけられないもの、そう言った先輩

迷惑だなんて、そんな事ありません！
私がそう言えば、‥そう、ありがとう、小さく微笑んだ

彼女が微笑んだ、その言葉が少し嬉しかった
そうね‥兄様に迷惑かけられないもの
ふいに視線を外へやれば、私を探してるであろう、シルバーとセベクを捉えた

『やっぱり自分の家へ帰るわ』

「はい！ホリデー、楽しんでください」

『ありがとう

貴女も素敵なホリデーを』

「はい、ありがとうございます！」

窓を開け魔法を使い着地、私を見つけた2人が駆け寄ってくる
セベクに急かされるように私の足は向かった