12話 誰かのために ページ12
紫の風呂敷の上、真っ二つに折れた刀
私は服のポケットから取り出す紙
何かあれば使いなさいと
お爺様が私にくれた霊力が篭った護符
ずっとお守りとして
持ち歩いていたものだ
古いから使えるかわからないけど
試す価値はある
それはなんだ？
膝丸様が聞いてきた
これは昔、お爺様が私にくれた物です
いつもお守りとして
持ち歩いてたのです
そう言えば、膝丸様が
大事なものなのだろう、いいのか？
少し気まずそうに聞き返す
「はい、いいのですよ」
「でも、それはお前にとって大事な物なのだろう？」
「膝丸様のお兄様も大切な存在なのでしょう？
なら、使う理由が他にいりますか？」
「質問に質問で返すな
お前はやはり変な女だ」
「ふふ、そうでしょうか？
褒め言葉として頂かせてもらいます」
私の霊力だけじゃ足りない
この護符をお借りしないと
きっと上手くいかない
それに、元から身体が弱い身としては
頼りたい所
私は両手で護符をはさみ願う
お爺様、どうか付喪神様を
お救いください
そう願い込めそっと刃の上へ
霊力を込めたと同時に
急速に吸い取られる
身体が一気に重たくなる
護符が光どんどん
折れた刃を治していく
とても苦しいし、生命が絶える
そう思った
護符がちゃんと働いてくれてるのか
少しの霊力を残し形になる
汗が濡らす額にを拭う
枯葉のようになった護符を取り
再び霊力を込めた
桜が舞い、現れる付喪神様
膝丸様と同じような服を見に纏った方
揺れる視界の中
膝丸様が嬉しいそうに、兄者！と呼んでいた
人間！兄者が兄者が！
嬉しそうな声に私も嬉しくて
おい！
どうした、人間！
大丈夫か！？人間！
膝丸様、大丈夫ですよ
良かったです、お兄様が
また、貴方様に会えて
良かったですね、本当に
遠のく意識の中、私は
桔梗！！
月が見えた
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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです！ (2019年6月26日 10時) (
レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう？ (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベスくん | 作成日時：2019年1月12日 16時
