35話 『番外編:出会い』 ページ38
ライナーがパラディー島から帰ってきて1年。
戦争も一段落したため、自分の部屋を掃除していると埃被った本が1冊引き出しの奥から出てきた。
ページをめくるとそこには小さな頃の私の写真があった。
(アルバムか…)
一番最初の写真の日付は私が生まれた年で、私の誕生日の1週間後の日付だった。
少し、若いお父様と赤子を抱いている亡くなったお母様が写っている。
お母様の腕の中にいるのは小さい頃の私だ。
ライ｢A？ライナーだ。入ってもいいか？｣
｢えぇ。｣
ライ｢ジークさんがこの書類を確認して欲しいと言っている。｣
｢わかったわ。机に置いといて。｣
ライ｢わかった。………何を見ているんだ？｣
｢アルバムよ。｣
ライ｢アルバムか…。俺も見てもいいか？｣
｢いいわよ！一緒に見ましょ！｣
ライナーは私の隣に座るとまじまじと1枚1枚写真を見始めた。
しばらくすると1枚の写真を指さした。
それは私がお母様に抱えながら遊んでいる写真だった。
私もお母様も笑顔で楽しそうなのが伝わってくる。
ライ｢これは、Aの母さんか？｣
｢えぇ、そうよ。｣
ライ｢Aは母さん似なんだな。今のAにとても似ている。｣
さらにページをめくっていくとお母様は写真から姿を消し、私だけの写真になって言った。
｢お母様、この時位に流行病にかかって亡くなっちゃったの…｣
ライ｢流行病で…｣
ライナーにお母様が居ないことは言っていたが流行病であったことは言ってなかった為驚いた様子だった。
流行病と言っても、この時期の流行病は人が死ぬほどのものではなかった。でも、お母様は元々も体が弱く私も産む時も生死をさ迷っていたと聞いた。
その結果、流行病への免疫がなかったお母様はそのまま衰弱していき感染から2週間後に息を引き取ったのだ。
｢この頃からお父様は私に甘くなったの。それで、多分ライナー達と一緒にいるのを許してくれたんだよ。｣
ライ｢そうなのか…｣
｢ほら、これ一番最初にあった私たちの写真だよ。｣
私が指を刺したのはライナーと一番最初に会った時の写真。
そこには私とライナーが写っており、嬉しそうにピースをする私に対してライナーは少し恥ずかしそうにピシッと立っている。
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はーぶ(プロフ) - 氷食症さん» コメントありがとうございます！番外編もいっぱい出して行けたらなと思うのでこれからもよろしくお願いします！ (2月3日 10時) (
レス) id: 14766c8d0d (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - コメント失礼します！ライナー好きなので読んでいてとても幸せな気持ちになりました、これからも楽しみにしています！ (2月3日 4時) (レス) @page37 id: 8897ca796f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MS.HB | 作成日時：2024年1月11日 6時
