太宰さんの女癖が悪すぎるので仕返しをする所存である【太宰治】

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どうも、全部吐かされました。

そういえばこいつ、情報とるのに失敗したことなかったわ...姐さんですらこいつやべえみたいな顔してたんだから私の1人や2人、簡単に扱えますよね。ちょっと舐めてた。

そしてその本人、さっきから動かないんだけど大丈夫？私の話を聞いて震え始めたかと思いきや目を見開いて静止した。因みに腕は私の顔の横についたままである。明日筋肉痛になってしまえ！

というか、私もそろそろ起きたいなあなんて思い目を向ければ、太宰は乙女のように片手を口に当て感動したような声で言った。






「A･･･やっと嫉妬してくれたのだね･･･！」

「は？」

「なに、以前から君のさっぱり加減には悩まされていてね、目の前で依頼人の手を取っても素知らぬ顔、顔を寄せても素知らぬ顔！口説いてみても素知らぬ顔だし、もう次はキスしかないと思ったのだよ！」

「でも、あんなに微笑んでたし、そもそも私が見てるとは限らないでしょう」

「微笑んで･･･？ああ、君が私たちの後ろにいることには気づいていたからね！これで何かしらのアクションをもらえると思うと嬉しくて嬉しくて！つい笑みがこぼれてしまった」





嬉々として語る太宰は目をキラキラと輝かせ、協力してくれる女の子を探すのは大変だったよ！なんてふざけたことをほざいでいる。まって、じゃああれは全部演技だったってことなの？

目の前の男は嬉しそうに笑みを浮かべているがこっちはそうもいかない。行くわけがない！私が、私がどれだけ･･･！




「･･･ぃ」

「？なんだい？」

「･･･嫌いよ！あんたなんて大っ嫌い！！」



今だ覆い被さっている太宰を押しのけて玄関に駆け寄る。困惑した表情の太宰をひと睨みして、思いの丈をぶちまけた。



「何が嫉妬してくれたんだね、よ！！見知らぬ女と歩く貴方を、愛おしそうにキスをする貴方を、優しく微笑む貴方を、私がどんな思いで！！」

「！」




目が熱くなったと思えば、次の瞬間には双眸から涙があふれていた。頬を伝うそれを乱暴に拭い逃げ出すように外へと飛び出す。去り際に見えたぼやけた太宰の顔は、今までに見たことがないほどゆがめられていた気がした。


このあふれ出す涙の意味は怒りか悲しみか、自分ですらわからなかった。

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