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団扇を振るほど暑いころ。 ページ2

春とは思えないほどの蒸し暑さ


捨てなきゃダメだよね


「はい、俺のてるてる坊主と交換な!」


ニカッと笑ってみせた貴方


今はもう私の傍にはいない


二度と私に向かぬ愛


貴方が残した痕跡


君の声が聞こえた気がした


「おい、雨宮」


宥めてくれたっけ?


綺麗事も言えないよ


帰り道が違うだけで


「お母さん、引っ越そ」


なんて言ったよね


貴方と話しながら胸にきつく、きつく押さえ込んだ想い


もう無いのかな?


「雨宮、絵教えて」


「え、いいけどお前がやったところで…」


「ええいごちゃごちゃうるせぇ!」


「はいはいw」


頬を伝う涙が想い出を映す


こんな想い、一緒に流れていけばいいのに

貴方の視界に一人佇む者。→←春の日が温かいころ。



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作者名:黒狐*黎穢(クロエ) | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年7月21日 21時

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