孤独な少女は知っている 番外編

若武の誕生日4 ページ4

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いや、だって……ねえ……



私は混乱して、この状況に頭が追い付いていなかった。


美門翼。誰もが思わずうっとりする美貌を持つ。
ハイスペックさに、転校生ながら人気者。
クラスの女子たちはもうすっかり魅了されている。



他のクラスや学年の違う人まで美門を見に来るのだから、相当なものだろう。
翼ブームなんて呼ばれていたみたいだし。




そんなすごい人と同じクラス。

そしてあの日、腕を掴まれた。
その時は私も頭が真っ白になり、急いで逃げた。




で、今は、何故か美門が、若武の誕生日会に来た。
私たちが美門にクラッカー浴びせてる状態。

………カオスかっ！！





まず、ここって、私の家だよな。

美門とは同じクラスってだけだし、知らないはず。
もう訳わかんない。何この状況。



『アーヤ、これ、どういう状況なの……』

私はもう頭がパンク寸前で、近くにいたアーヤにそう言った。
アーヤは、ニコッと微笑んだ後、冷静に、丁寧に答えてくれた。
あぁ……天使。





「えっとね、翼は探偵チームKZに入っているの。

若武の誕生日会だから、みんなで集まろうって。
Aちゃんの家は、住所を送っといたみたい。

Aちゃんが入ることが決定した時ね、全員いなかったの。
本当はね、翼と、まだあともう一人いるんだ。」




え、美門、探偵チームKZに入ってたの？！
しかも、まだもう一人いるの？！


住所送ったって、あの、個人情報だよ。
せめて私に許可を取ってからにしてくれないか。
美門が来た時私、ビックリした。


心臓が、飛び出ちゃうのかと思った。





美門か……気まずい。

というかこれ以上、イケメンいらない。疲れた。
平常心で顔を変えずに、名前で呼び捨てするアーヤって……


ある意味、尊敬するよ、アーヤ……





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