孤独な少女は知っている 番外編

若武の誕生日11 ページ11

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……どうしようか。

若武にわざわざ起こさせるのも……
ええい、仕方ない、私が起こしに行こう。




『私が美門、起こしに行くね』

そう早口で言った後、返事を聞かずに少し急いで廊下をダッシュ！
若武が何かぼそぼそ言ってたけど……重大なことではないよな。




ゲストルームのドアを乱暴ではなく、そーっと、なるべく音を立てないようにして開けた。


この場面だけ見ると……何だか泥棒、というか……夜這いみたいでドキドキする。
今は昼間だし、そんなつもりは無いのだけれど。

何気に、この部屋に男性を入れたのは初めてで、何処か、新鮮だ。
そこでは、スヤスヤと、美門が幸せそうに眠っていた。


この幸せそうな顔を崩してしまうのは、罪悪感があった。
だけど、起こさなければ。
主役の若武が待っているのだから。




そっと美門の近くに行くと、美貌の翼と言われるだけあって、とても綺麗だった。
いくら美人の女子でも、敵わないくらい、それくらい綺麗。

『……っ、きれい……』



あ、今、声にっ……！

私は慌てて自分の口を閉じた。
美門を見ると、それに気付かず、ぐっすり眠っていた。



綺麗な顔立ちしてるよな、ほんと。
女子でも、この顔は本当に羨ましい。


しばらく見惚れていると、美門がギュッと抱きついてきた。




え……え？
私は、状況が掴めないまま、固まったままだった。




「A……大好き…」


『……っひ、……っ』



待って、これって若武の誕生日じゃ……
初対面(？)の人にいきなり、って……

それに、私の耳の近くで美門が囁くように言ってくるから、余計に…その。





『は、はなせっ……て、何こいつ、力すっご……抜けれない……』



え、嘘でしょ……

まさか、このまま男子と密着状態なんて。
色々と死にそう……誰かっ！






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