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侑李side


「侑李、ちくってするからね。」

寝ぼけなまこの中、点滴を変えられると、もう隣のベッドは空だった。

涼介は一時帰宅できたんだ。いいな。そんな気持ちを抱きながらゆっくりと起き上がると少しだけぐるぐると視界が回る。

気持ち悪い。そんな感情は朝から持っていたけれどずっと我慢していた。

悪化したと知られればまた大きな検査の繰り返し。
それが幼いながらに嫌だった。

だって、体力も使うし、痛い注射もしないといけないし。

「……けーと、といれいっしょにいって」

「トイレ?いいよ。」

優しい圭人に手を引かれ2人でトイレに向かった。
気分が悪かったのだ。

一言で言えば、吐きそう、に当たる。


「ゆーり大丈夫?先生読んでこようか?」

「んーん、だめ、」

ゲホ、咳を一つこぼすと勢いがついた様に吐物が喉を通って水面を叩いた。

便器の中から酸っぱい匂いが漂う。
朝食べた食事を戻してしまったのだ。

それでも、先生には黙ってて欲しい。だってこんなにも頑張ってるんだからもういいだろう。

じんわりと涙がこぼれそうになる中、背中をさすってくれる圭人に礼を言う余裕もなく侑李は弱々しい咳を繰り返していた。

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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時

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