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大貴side
「で、ここがこうなるってわけ。」
山田と裕翔が一時帰宅を果たす中、侑李は遅れていた勉強を圭人と共にやっていた。
体調が不安定で院内学級に来れないと言う2人のために病室にまで訪れて教えてやっているのは同情心からかもしれない。
「……んぅっ、」
「侑李?大丈夫か?」
「……いたい、……ゲホッ」
カランと鉛筆の落ちる音が鳴ると、侑李は蹲るようにして前屈みになり胸を抑えた。零れる咳が呼吸を乱していく。
「侑李、ゆっくり横になろうか。」
「んっ、ゲホッ、……っはぁっ、はっ、」
院内学級の先生は医者じゃない。
慌ててナースコールを押すことしかできない。
それが少し悔しかったりもする。
「大ちゃん、侑李どんな感じ?」
「急に胸痛がって、咳もちょっと出てる。」
苦しむ背中をさすりながらそう伝えると薮はテキパキと処置をしていく。
侑李の難しい病気だって薮ちゃんの手にかかれば直ぐ良くなる。
今までだってそうだった。
そのはずなのに、侑李はその日この病室からいなくなった。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時