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伊野尾side
____ピピピピ
電子音がなる中、体を翻した侑李の顔を覗き込むとウトウトとした瞳が目に入る。
脇に挟まれた体温計を手に取るとカルテに数値を書き込み、脈拍や血圧も測ってしまう。
こんなにも大人しいのは、寝ぼけているからか。
いつもは駄々をこねて困らせるのに少しだけいつもとの違いに不安を覚える。
「侑李、朝ごはんもう直ぐくるよ。食べれそう?」
「んぅ……いのちゃ、だっこ」
小児科故にわがままを言う患者は数多いけど、その中でも群を抜いてわがままな侑李はその可愛さから他の看護師にも慕われている。
要はかわいいのだ。甘え上手で顔立ちも女の子のようだとナース室でも話題である。
そんな侑李を抱っこをすると優しく背中を撫でれば少しばかりゼェゼェとした雑音が手を震わせた。
「ゆーり、苦しい?」
「……んーん、」
苦しいよね?同意を求めるようにそう伝えると白衣をぎゅっと握りしめ顔を埋める。
侑李の悪い癖だった。
機嫌が悪いと顔を白衣や布団に押し付ける。
これでは埃を吸い込んでしまい逆効果だ。
「ゆーり、お顔見せて。」
「いやぁ、」
「じゃあ、今日の院内学級はいけないね〜」
「いく、」
バッと顔を上げた侑李を見て笑いつつ、隣のベッドで寝ていた涼介にも声をかける。
「起きろ涼介〜、ご飯くるよ〜」
裕翔と圭人はどうやら高木が起こしてくれたらしい、寝ぼけなまこな子供達をあやしながら今日も1日が始まった。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時