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「じゃあ私は先生に完了の報告してくるから最後のやつお願いね。重いから気をつけること!いいね!」

「はい!」

スタタと駆け足で廊下を行く背を見届け、

重そーな荷物に睨みをきかせる。

私がやるって言ったけど……

その荷物に手を伸ばし、持ち上げてみると……

思ったより重い!

早くも後悔した。しかし、請け負ったからにはやり遂げなければ。

重い荷物を持ち上げ、ゆっくり確かな足取りで倉庫へ向かう。

幸い、倉庫は近いので長い苦しみは無かった。

「え……嘘、でしょ……」

なんとこの荷物、上の方に仕舞うものだった。

ご丁寧に脚立が俺の背中に乗れ!と言っているかのように待ち構えていた。

いや……ここまで来たんだ。頑張るぞ!

もう一度荷物を持ち上げ、脚立をゆっくり登る。

頂点に達したところで荷物を頭の上に押し上げる。

残念ながら、身長が足りなくて背伸びをする。

このまま……仕舞って……

ガタリと、嫌な音がした。

そう思う暇もなく、私は宙に浮いていた。

私の後ろ足が脚立から外れたんだなと、逆に冷静になった。

あぁ、死ぬのかな私。

目の前に迫るは、重たい荷物。

終わった……私は静かに、力強く目を(つむ)った。

背中に衝撃が走る。顔への衝撃を待ったが、来なかった。

「ぐっ……」

荷物が何かにぶつかる音と、誰かの唸り声が響いた。

私は恐る恐る目を開けると、目の前には誰かの服。

「え?」

微かに漏れた声は風が吐かれたように儚かった。

服を辿って顔を探すと、そこには

「け、剣豪くん?!」

苦しそうに片目を瞑る剣豪くんの顔があった。

「だ、大事…ないか……?」

「う、うん……大丈夫……」

その言葉を聞いて、安堵したような表情になる。

剣豪くんはゆっくりと上体を起こした。

「そうか……良か__うぐっ」

「け、剣豪くん?!大丈夫?!」

私もすぐさま上体を起こし、剣豪くんを診る。

背中を押えている様子から見ると、

背中を強く打ち付けたみたいだった。

それはそうだ。おそらく、あの重い荷物を背中で受けたのだから。

「背中……ごめんね、私のせいで……今湿布持ってくるから!」

私はすぐさま倉庫を駆け出した。

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設定タグ:Y学園 , 猫HERO , 寺刃ジンペイ   
作品ジャンル:アニメ
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ゆき猫(プロフ) - ここさん» 閲覧頂きありがとうございます!お待ちいただけると幸いです! (2023年2月1日 23時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ゆき猫さん» 見ました〜!!何回見てもドキドキします>_<気長に待ってます!! (2023年2月1日 17時) (レス) id: 977f95a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき猫(プロフ) - ここさん» 応援ありがとうございます!番外編2も投稿してありますので良かったら!ブルームーン編も鋭意制作中ですのでもう少々お待ちください! (2023年1月30日 17時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、😖💕続き待ってます🙏🙏 (2023年1月28日 18時) (レス) id: 977f95a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき猫(プロフ) - 和鼠さん» ありがとうございます!お待ちしていますね! (2023年1月2日 8時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき猫 | 作成日時:2022年8月3日 21時

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