初夏、初恋。 【不死川実弥】 亜美様リクエスト ページ21
焼け付く様な陽射しも茹だるような熱も立ち込める陽炎も、全部含めて夏は嫌いだった。
『どうして私がこんな目に…』
脱水症だろうか、歩く事もままならず道に立ちすくみ日に照らされていた
…思えば短い生涯だった
『っていけない、三途の川を渡るところだったわ』
今は初夏だが今年の暑さといったら尋常ではない。雨でも降ったかのように水分を含む着物が重く、町まで行くのも一苦労だった。
『誰か、』
いよいよ意識も遠のいて来た時、不意に頭上から声が降ってくる
不「生きてんのかィ」
『…あ、』
何とか意思表示をすると米俵の如く持ち上げられた。随分と視線が高くなった。
不「揺れちまうけど死,ぬよりましだからなァ、我慢してろ」
屋敷の様な広い所へ運ばれ寝かされた。余りにも心地よく眠ってしまったがそれ程時間は経っていないらしく、拾ってくれた彼はまだいた
『あの、』
不「ったくよｫ、水分補給くらいしっかりしろ!俺が通らなかったら今頃三途の川の水飲んでたぜ」
口を開くが弁解の余地無く彼からの叱責を受ける。彼の言うことは最もだがもっと優しく出来ないものかと顔をあげるとあら不思議。
『かっこいい…』
不「…は、テメェ聞いてんのかｧ?!」
『聞いてます、それよりも好きです』
不「っ、テメェ、」
『夏です!!』
不「…夏」
『はい!!何でしょう!!!』
恐ろしく整った顔が引き攣る。どうやら私は一目惚れなるものをしてしまったようだ。
不「暑さのせいで頭までやられちまったか…」
天を仰ぐ姿も素敵。顔を火照らせそう呟けば呆れられてしまう。
その後も猛アタックするが無視され、今日はもう帰れと家へ送ってもらった。実は優しい人なんだ。
『ありがとうございます不死川さん、ところで』
不「付き合わねｪ、さっさと寝ろ」
『まだ何も言ってないじゃないですか!!』
不「はぁ…」
顔を抑えため息をつく姿も凛々しい。末期か。
帰り際、彼は手を振り返してくれたが応えてはくれなかった。
『…ふふ、』
然し彼の頬が紅く染まっていた事に気付いたのは私と、夕陽だけだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
不「(必死な姿が可愛かったとか、絶対言えねェ…)」
夏風邪 【宇髄天元】 亜美様リクエスト→←舞台裏 【複数】 美桜様リクエスト
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坂口(プロフ) - あの、玄弥さんをいれてくれませんか。 (2020年6月12日 22時) (
レス) id: 00b7ed554e (このIDを非表示/違反報告)
椿 - リクエストです！甘々な緑壱が見たいです！ (2019年10月26日 0時) (レス) id: 9094ec668b (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - みしろさん» みしろさんのTwitterの絵変わったんですね。呟きも再開したんですね。時々見ていました。忙しいけれど甘味処弐と他の作品自分のペースでやって下さい。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ピザ - ありがとうございます！ (2019年7月21日 20時) (レス) id: e3709cb648 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - ピザさん» リクエストありがとうございます！亀更新のため待たせてしまいますが、ぜひ書かせて頂きます!! (2019年7月20日 11時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みしろ | 作成日時：2018年7月5日 23時
