第６部 祝福の誕生 ページ43
修也Side
俺が到着してから30分ほどして、夕香と音無が到着した。
俺は父さんに連絡したが、父さんは仕事中で、今すぐには来れないそうだった。
夕香「お姉ちゃん、大丈夫?」
夕香はそう言いながらAの腰のあたりをさすってやっていた。
A「うん…はぁっ…だい…じょうぶ…っ!!つぅ!!」
Aは片手で枕を握り締め、もう片方の手で音無の手を握っていた。
春奈「A、頑張って…」
音無の目には涙が浮かんでいるように見えた。
もし、彼女の目に涙が浮かんでいるのなら、
たぶん、音無も俺と同じ気持ちなんだろう。
俺達はまた見ているだけなのだ。
苦しみに耐えるAに俺達は何もしてやれない。
それは紛れもない現実であった。
それが、どうしようもなく辛い。
握られているこの手から、Aの痛みを少しでも貰ってやりたい。
楽にしてやりたい。
Aの手を握っている間、ずっとそう思っていた。
そんな想いをしながらAを見ていると、
麗美「悔しい?」
Aと同室の人が聞いてきた。
俺の思っていたことはそれ程顔にでていたのだろうか。
麗美「私には夫がいて、息子と娘もいるけれど、息子を産んだときに夫に言われたわ。悔しいし、もどかしいと…そのときはよく分からなかった。」
でも、と彼女はAを見ながら続けた。
麗美「あの子を見ていると、その気持ちがよく分かるわ。あんなに純粋で、強くて、優しい子は凄く珍しい。そんな彼女だから、今彼女だけが苦しんでいるのがやるせない」
そこで彼女は言葉を切った
世璃那「でも…」
もう1人の人が俺の脇に立った
世璃那「女はこの痛みを乗り越えなければ母親にはなれないの」
真剣な眼差しでAを見ながら彼女は言ったが、フッと表情を和らげて
世璃那「大丈夫よ、Aさんなら。彼女は強い人だもの」
と言った
麗美「そうよ。だから心配しないで」
俺はただ「はい」と頷く事しか出来なかった
Aが呻き声をあげる
音無がAの手を彼女に負けないくらいキツく握った
夕香「お姉ちゃん…」
夕香は心配そうにAを見る
その顔を見た時幼い頃の記憶が思い起こされた
その光景の中にいる幼いAの姿が今の夕香に重なる
修也「母さん…」
俺は呟いた
貴女もこんな思いをして俺達を産んでくれたのですか?
母さん…
俺達を産んでくれてありがとう
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お砂糖(プロフ) - 続編楽しみです!!主人公に頑張ってほしいです＞＜ (2012年3月10日 22時) (
レス) id: 0e8350f1dc (このIDを非表示/違反報告)
黒川リク(プロフ) - 続編すっごく楽しみです！！応援してます (2012年3月9日 7時) (レス) id: b5c87b3012 (このIDを非表示/違反報告)
美闇(プロフ) - さすが！はるみん！！頑張ってね！＾―＾ノシ (2012年3月8日 23時) (レス) id: b6123c239f (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公……。精神的な苦痛に…(泣)主人公の支えになりたい(ノ△Ｔ)春奈と夏美と豪炎寺が居て良かったです///鬼道…何やってるのよ…。更新頑張って下さい(o・v・o)ﾉｼ (2012年3月8日 0時) (携帯から) (レス) id: 9216772dfd (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 主人公ちゃん頑張っって！更新応援してます＾＾ (2012年3月7日 0時) (レス) id: 75c6118bbf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるみん | 作成日時：2011年7月21日 21時
