Another Story

悠様リク 周囲にバレバレな両片思い＿sgi ページ21

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「あー…好きだ…」



ナイスガイの須貝です。



「俺が分かってるからって惚気すぎだよ」



新しくライターの人が入ったのね。そこはいいの。



俺とアニメの話は合うし、好みの声優さん同じだし…。



「多分気づいてないのAだけだと思うけど」

「えっ、俺そんなにわかりやすいですか。」



うん。と頷く伊沢。理解に苦しむ。



「まぁ、気づいてないのも須貝さんだけだと思うけどね」



伊沢が何か言ってたけど、俺の耳には入らなかった。



「あ、来たよ。」

「すみません、おまたせしちゃったみたいで！」

「大丈夫だよ。本郷で授業あったのに来させちゃってごめんね」

「全然大丈夫です！」

「ほら、須貝さんも……須貝さん？！」



いや、やばい。

何がヤバいって…服装？



今流行ってるかなんか知らないけどキャラメル色のガウチョパンツにピンクのセーターをインにしていて…



なんだろ。あいつのスタイルの良さが全開で出てる。



「…えっと、変、でしたか？」

「あっ、いや、全然変じゃない！寧ろ…」



そこから先の言葉が声に出されることは無かった。



いやだってさ、言えないじゃん。“可愛い”なんて。



きょとん、としたような顔を見せたA。



でも、いつもの様に咲き誇る笑顔で俺を見た。



「へへへ…ありがとうございます」



どことなく頬が赤いような気がして、思わず言葉を忘れた。



伊沢が横でため息を着いたのが聞こえる。



「…じゃ、じゃあ行こうか。」

「はいっ！」



俺の後ろをぴょこぴょこと着いてくるAに思わず叫びそうになる。



「俺なりのデートプラン考えたから、ちゃんと」



そう言うと、びっくりしたように俺を見上げたA。



「楽しみですね！」



ふふっ、と笑うAに思わず俺も笑ってしまった。



「須貝さん、ピンクの胡蝶蘭はお好きですか？」

「胡蝶蘭？」



その時、俺の頭の中に花言葉が過ぎる。



「…それって、期待していいの？」

「…期待、して貰えませんか？」



どこまでもずるい、そんなことを思いながら彼女の頭をふわりと撫でた。

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