井上咲様リク お揃いの服が示す想い_kwkm ページ20
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「川上とA、服お揃いじゃん」
「別に深い意味は無い。」
“本当かなー”とニヤニヤし出す同期に若干腹を立てながら私は“本当です!”と叫ぶ。
実際深い意味は無い。
偶然お揃いになっただけだ。
なのに何故こんなにもはやしたてられる。
「…これ、伊沢さんにも絶対言われるやつじゃん…」
あの人がこういう話題に食いつかないはずがない。
ため息を着きたいのを堪えて、私はリュックを背負って、川上のあとを追いかけた。
「川上待ってよー」
「ん、はやくしないと遅刻になるよ」
相変わらずそういう所はきっちりしてんな、と笑いそうになりながら彼の歩幅に合わせる。
「あ、ごめん。速かった?」
「大丈夫だよ」
それに気づくと、私の歩幅に合わせてくれる。
「服、別に俺は気にしてないから」
拓朗が何か言っていたけど、丁度バイクが通って全然聞こえなかった。
「何か言ったー?」
「…別に」
いつになく最低限しか話さない川上に嫌われたのかと思いながらも私はその背中を追いかける。
「あれ、Aに川上。遅刻ギリじゃん」
「あはは…。講義長引いちゃって」
伊沢さんは気にする素振りを見せずに小さく笑う。
「それより2人とも、服お揃いじゃん。」
「それ、2回目のくだりなんで大丈夫です」
「川上なんか冷たいなー」
「なんでですかね」
私がそう言うと、伊沢さんはまた笑う。
よく笑うなぁ、なんて思いながら視線を追いかけた。
「鈍感だよね、相変わらず」
「ちょっとよくわかりません。」
「Aは川上とお揃い嫌?」
「嫌じゃないですよ。」
寧ろ…と言う言葉は飲み込んだ。
「だってよ」
伊沢さんがそう言うと、そこには豆鉄砲を喰らったような顔をしてる川上の姿。
「嫌じゃ、ないの?」
「全然?」
恥ずかしかったから、そう言うと、川上は走ってどこか行ってしまった。
「えっ」
「相変わらず2人面白いなー」
そう言って笑う伊沢さんに首を傾げながらも、川上がいいならいいか、とその場を後にする。
コメントでも弄られたのは後日談。
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汚嬢 - ニヒルは、無表情って意味らしいです。quizknockの語彙力面接にありました。ぜひ見てください (2019年6月23日 1時) (レス) id: ac3d8e08a3 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - はのんさん» そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。そうですね、ちまちまちまちま。一か月に一回、もしかしたら三か月に一回とかになってしまうかもしれませんが、本当にちまちま書くと思います。ですので、どんなに更新しなくても、見捨てないでいただけたら幸いです (2019年1月13日 17時) (レス) id: 14232fb1c5 (このIDを非表示/違反報告)
はのん - リクエストは中止されてもお話は続けていただけますか??とっても楽しみにしているので気になってしまって… (2019年1月13日 17時) (レス) id: 8b6ba15ed7 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - 井上咲さん» 申し訳ありませんが、リクエストの受付は一時停止させて頂いております。折角頂いたのに本当に申し訳ありません。 (2019年1月1日 20時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
井上咲 - 「ハニトラはお手のもの」の夢主ちゃんはちょっとあざとくてめっちゃ私好みでした(笑)リクで春菊をたべたくない彼女に一口だけって食べさせてあげて残りは自分で食べちゃうって、ふくらさんのは食べない川上さんでお願いします! (2019年1月1日 1時) (レス) id: b7baff39b5 (このIDを非表示/違反報告)
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