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「飯田くん！！」
「解けたか、意外と大した事ねぇ個性だな」
「轟くんも緑谷くんも五条くんも、関係無いことで申し訳ない」
「それはもういい」
「だからもう、三人にこれ以上血を流させるわけにはいかない」
「感化されとりつくろおうとも無駄だ。人間の本質はそう易々と変わらない。お前は私欲を優先させる贋物
にしかならない！”英雄ヒーロー”を歪ませる社会のガンだ。誰かが正さねばならないんだ」
「時代錯誤の原理主義だ。飯田、人殺しの理屈に耳を貸すな」
ステインの言葉に焦凍は冷静に返した
しかし飯田はステインの話を肯定した
「言う通りさ。僕にヒーローを名乗る資格などない。それでも折れるわけにはいかない、俺が折れれば
インゲニウムは死んでしまう」
「論外」
「轟くん！温度の調節は可能なのか！？」
飯田は切羽詰まった表情で叫んだ
「炎はまだ慣れねぇ！何でだ！」
「俺の脚を凍らせてくれ！排気筒は塞がずにな！」
「邪魔だ」
「焦凍！」
焦凍に刺さりかけたはずのナイフは飯田の左腕を貫いていた
「飯田！」
「いいから早く！！」
腕から血が流れても飯田は焦凍に指示を出した
飯田はナイフを引き抜いて勢いよく跳ぶ
畳み掛けるように動けるようになった緑谷も跳んだ
俺も痛む体を奮い立たせ影の海でステインの足場を奪う
限界まで
「行け」
今は
腕が
拳が
あればいい＿＿
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作者名：春音 | 作成日時：2023年12月8日 21時
