あなたのオアシス～2～ (ページ16)

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決意ページ16

「そ。自分の気持ちに正直にね。ごちそうさま。」

そう言って二宮さんは二人分のドリンク代をテーブルに置いて帰っていった。

自分の気持ちに正直に…

自分でもビックリするほど、初めて会う人に自分の事を話していた。

きっと、二宮さんが聞き上手なのもある。

あの、わかってるよって言ってくれてるような優しい瞳が私の気持ちを引き出したんだ。

この気持ちが弱くなってしまう前に、
櫻井さんと話をしよう。

櫻井さんを傷つけることになるのも、
責められるような目をされるのも、
想像するだけで怖い。

でも、偽りの気持ちで相手に接する時間が長いほど相手を傷つける。

私も強くならなきゃ。

そう決意して櫻井さんにメールすると、返信ではなく直接電話がかかってきた。

「Aから会いたいって連絡してくるの初めてだよね？俺、めっちゃテンション上がってるわ。この前はAの家だったし、今回は俺の家にする？」

「はい。何時ごろになりますか？」

「収録が延びなければ21時には終われそうかな。家の住所メールするわ。」

「よろしくお願いします。」

電話の向こうの櫻井さんは嬉しそうで、心が痛む。
でも、頑張らなきゃ。

そう心で呟きながら
[誠に勝手ながら、本日の営業は20時までです。]
の貼り紙を作った。