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「あの喋り方だと友達もいないじゃろ。」
「快く送り出せるのじゃ。」
「可哀想でおじゃるなぁ。」
「学校じゃ普通に喋ってるもん!!」
そこで、お付きのメイドさんーー黒井さんが気まずい顔をした。
それが何であるかを詮索する前に、理子さんが慌て出した。
「黒井!!今何時じゃ!?」
「まだ昼前...ですがやはり学校は」
「うるさい!!行くったら行くのじゃ!!」
訳も分からぬまま駆け出した理子さんを追いかけると、どうやら学校に行くそう。
頑として学校へ行きたがる彼女を制止出来ず、結局私達は学校の敷地内で二の足を踏んでいた。
今の時期には人が来ないであろうプールサイド。少し離れた所で五条君が電話越しにキレていた。
「天元様のご命令ですか。」
「チッ、ゆとり極まれりだな。」
「そう言うな悟。ああは言っていたが、同化後彼女は天元様として高専最下層で結界の基となる。友人、家族、大切な人達とはもう会えなくなるんだ。
好きにさせよう。それが私達の任務だ。」
「理子様にご家族はおりません。幼い頃事故で...。
それ以来私がお世話して参りました。ですからせめて、ご友人とは少しでもーー」
「それじゃあアナタが家族だ。」
「...はい。」
「傑、監視に出してる呪霊は?」
「あぁ。冥さんみたいに視覚共有ができればいいんだけどね。それでも異常があればすぐに...A。」
「理子さん自身には異常はありませんが、呪力が阻害されて位置情報と視覚情報が掴めません。」
「悟、急いで理子ちゃんの所へ。2体祓われた。」
私達はすぐにでも校内へ駆け出した。お嬢様学校だからか、やたらと中も広い。
「天内は!?」
「この時間は音楽なので、音楽室か礼拝堂ですね。」
「レーハイドゥ!?」
「音楽教師の都合で変わるんです。あとここはミッションスクールです。」
「悟は礼拝堂、Aと黒井さんは音楽室。私は
「了解です。」
「承知致しました。」
夏油君と別れ、途中まで五条君と共に走り続けた。
「だから目の届く範囲で護衛させろっつったのにあのガキ!!」
「申し訳ありません。移動の度にメールするよう言ったのですが...。」
「取り敢えず今はまだ無事です。急ぎましょう。」
渡り廊下に差し掛かったところで、五条君とも別れた。
私が黒井さんに当てられたのは、彼女の護衛も含めてのことだろう。
しかし、辿り着いた音楽室には誰も居なかった。
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カナデ(プロフ) - 好きです!!更新頑張ってください! (2022年10月26日 20時) (レス) @page21 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:馬×3 | 作成日時:2021年12月30日 16時