２１ 不安 ページ22
さすがにトイレも看病されるわけにもいかず
そこで 下ろしてもらい あとは自力で歩いたが
不安は高まる一方だった。
「…なん、で」
『あの日』じゃなかった
しかも 良く考えれば まだ前回から2週間しか経ってない
別にトイレに行きたいわけでもないのに。
人生初ともいえる腹痛で 原因もわからず
不安で怖くて 泣きながらトイレから出ると
侑くんがぎょっとした顔で私を見た
「え、な、えっ」
「…ぉ なか…いたくて」
「便秘か」
私が睨むと ヴッとバツが悪そうな顔をする
「…あ！あれか、せー」
言い終わる前に首を横に振る。
もう少しオブラートに包んで欲しいところだけど
今はそれよりも どうにかしてこの痛みをとってほしい
「か、た…」
「お、おう」
なんとか掴まって 歩きだす
とりあえず、痛み止めを飲むしかなかった。
薬箱から薬をとって、なんとか飲んでも
すぐに効くはずもなく未だ激痛は続く。
侑くんにいたっては オロオロして
どうすればいいか分かっていない様子だった。
そんな時に 侑くんの携帯が鳴る
時計を見れば １時間近。
部活の時間、きっと部員からの連絡だろう。
「ごめっ…ぶかつに…」
「…せやけど」
「くすり…飲ん、っから」
冷や汗はとまらないし、お腹は痛い
けど
侑くんにとって そんなことはどうだっていい
薬を飲んだから寝てれば治る
だから 部活に行って。
「…アンタには私の腹痛どうだっていいやろとか
思っとんやったら ぶっ飛ばすで」
「…で、も」
「また言わへんのか、本音」
1度切れたコールが、もう1回鳴り出す。
侑くんは それに目もくれず 私を真っ直ぐに見る
昨日、私に向けた目
治くんを見る目と同じ温度の目で。
「……たすけ、て…」
「…やっと言うたな、アホ」
電話に出て「今日休む」ただそれだけを言って
侑くんは直ぐに電話を切った
そして 再びどこかへと電話をかけ始る。
「呼んだ」
「…な、に？」
「救急車」
「…は？」
「俺 なんも分からへんし」
「…ゃでも、…え？」
「うっさいわ！！つべこべ言うなら歩かすぞ！！」
急な展開にわけも分からないまま
私は侑くんが呼んだ 救急車に乗って
病院へと向かった。
少しでも痛みが紛らわせるように、と
侑くんは自分の綺麗な手を、ずっと私に握らせていた
ずっと「ごめん」て言っても無視されたけど
「ありがとう」って言った時は
少しだけ微笑んで「別にええよ」って言ってくれた
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くまとも(プロフ) - 結局どういう関係になったのか気になります… (2022年3月26日 12時) (
レス) @page31 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 最推しと同棲できる世界線どこ？(ここです) (2022年2月26日 6時) (レス) @page9 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクサくぱんだ
| 作成日時：2020年8月18日 23時
