Aimer Ⅱ (ページ7)

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【番外編】いじわるページ7

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風呂から上がると、Aはネットに釘付けになっていた。後ろから抱えるように、両足に挟んで座ればピクリと肩を震わせる。

『ドラ1の河野くんって子、楽しみやね。
社会人やけど21歳で若くて未来あるし期待高かったし、イケメンやった』

「ふーん」

パソコンを見せられながら思う。社会人No.1投手でファイターズに来るかもしれへんやつは堀と同い歳になるのか。若いなあ、と思いつつも最後のイケメンを受け流す訳にはいかない。

「でもAの旦那になるやつの方がどストライクのイケメンやろ？」

『私の旦那になるやつ老けた。あとどストライクのイケメンは吉沢亮くんやから』

おいおい。そんな酷いことあるか？老けた自覚はあるけど、幼馴染が言うならいよいよやん……

しかも芸能人に勝てるはずもない。ダブルでダメージを受けて傷ついていたら、Aが振り返る。

『旦那になるやつね、最近いじわるすんねん』

「いじわる？」

『おん。アホやからバレてない思うてるけど、私の化粧水使ってんの』

「……ほお」

焦げ茶色の瞳はまっすぐに俺の目を見据える。

『しかも乳液まで使ってんねん』

「ライン使いええやん」

俺が秋季練習で鎌ヶ谷に滞在し、Aが東京で仕事に勤しむ今、球団やAの事務所の好意で都内のマンスリーマンションに住んでいる。

軽い同棲みたいなもんやから日用品としてスキンケア用品も準備されるわけで。

最初は興味本位やった。でも乾燥しがちな俺の肌にピッタリで、たった1回で肌の調子が良くなった。感動した俺はこの1週間、手持ちではなく、Aのを拝借していた。今日も朝晩きっちり塗ったくった。

『ふざけんなバカ。いいわけないやろ、そろそろ自分のを使って』

「でもあれの方が俺の肌に合ってる」

おかげでぷりっぷりのもっちもちやで。

『開き直るな』

買いなさい、とAは小さな手で俺の両頬を摘み、ぐにゃぐにゃに動かす。これが地味に痛い。でも使ったことは後悔していない。

「やめろや」

『やだ。反省するまで離さない』

「そういうこと言うやつは……」

負けじとAのほっぺたを軽く摘む。

『やめろや』

「やだ。反省するまで離さない」

『真似すんな。あと私反省せなあかんことしてへん』

「お前も真似したやろ」

でもこの雰囲気が心地よくて好きだ。