検索窓
今日:17 hit、昨日:9 hit、合計:203,295 hit

ページ27

.


目一杯体を動かしたあとは……



「じゃあここに集合な?」


『はーい』


シャワーを浴びるために再び別れる。とは言いつつ、朝お風呂に入った私はそこまで気にする必要はなく、制汗シートで軽く体を拭いて終わらせる。それよりも準備に時間をかけたい。



昨日着た服はコートも含め、全てがヤニ臭くなっていた。2日連続で同じ服を着るつもりはない。でも今日もお世話になるチェスターコートは岡崎に帰ればクリーニング行きになる。

白のタートルニットとチェックシャツを重ね着し、デニムスキニーを合わせる。髪の毛はヘアアイロンで軽く巻いて、メイクは厚くなりすぎないように盛る。色っぽさを出したい気分やから今日はテラコッタメイクにしてみた。

20分ほどで準備ができた。待ち合わせ場所に行ってみれば、遥輝もバッチリ髪の毛をセットしている。



「おお、大人っぽくなっとる……」


『そっちこそ、かっこよく決まってんじゃん!』


今まであまり意識してこなかったけど、自然とかっこいいと思えていた。



「そ、そうやろうか……?」


遥輝は目を丸くする。何この反応。ちょっとキュンとしてしまったやないの。



「でもAもめっちゃ可愛いで? ……似合ってる」


そう言ってはにかむ遥輝。胸がドキドキし始めて、急に恥ずかしくなってきた。



「さっ、いこか!」


『あ、はい!』


切り替えるように遥輝に腕を掴まれて、私達は駐車場へ向かう。握られた箇所が熱く火照り始めていること、遥輝は気づいているだろうか。今まで可愛い、なんて言う人やなかったのに、どこでそういうこと覚えてもうたんやろ……

亮くんやてっちゃんがここぞとばかりに褒めてくれるから、男性からの褒め言葉には慣れているつもりだった。でも今の私は……

やだやだ、そんなことある訳ない。あっちゃいけないし、あるはずもない。私の好きなタイプはタバコを吸わない優しくて清潔な人でしょ!?



「何百面相しとんねん」


『いたっ』


エレベーターに乗り込むなり、バチッ、と額に痛みが走る。



「お前隙多いなあ。デコピンし放題やん!」


悪い笑顔の遥輝に顔を覗き込まれる。……前言撤回。変に意識したのが間違いやった。



『ウザすぎ。嫌い』


「なっ……、嫌いなんて簡単に言うなや! 俺は大好きや!」


……そっちこそ、簡単に大好きなんて言わんでよ。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
260人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜! (2019年9月1日 23時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強!更新頑張ってください!お気に入りに入れます! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あおやなぎ | 作成日時:2019年8月29日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。