針壁と爆弾、紳士の怒り ページ49
〜・〜・〜・〜
バァン！！
朦朧とする意識の中、目の前の扉が肩を震わせるほど大きな音と共に開いたのが見えた。
「彼の拘束を解け、今すぐに」
「遅かったじゃないか。
退屈だったから彼のマイクロチップの爆弾機能を発動させておいたよ」
・・・爆弾だって？
最初から私を殺す気でいたのか。
「針壁に爆弾とは────
なかなかのセンスじゃないか」
皮肉を込めて言うと、男は"そうだろうとも"と自慢げにニタリと笑う。
「チャンスをあげよう。私の持っている"これ"は爆弾のスイッチだ
そしてこれは実験でもある。自らの命か、この男の命────
君はどちらを選ぶのかな」
男はスイッチを針壁のど真ん中に放り投げた。私の頰に刺さろうとしている針壁。
フーリッシュの目は左右に泳ぎ、落ち着かない様子だ。動揺している。
〜・〜・〜・〜
敵をある程度片付け、仕立て屋の息子のいる部屋に入ろうとしたその時。
天井から異音がした。
ガガガガ・・・と、なにか鉄のようなものが無理やり動かされているようだ。なんだか嫌な予感がする。
次に、"トンッ"という、重みのあるものが着地したような音がした。
私は威力が強めなピストルで、足音のした1m先のところに銃弾を放つ。
ガンッ！！
首と頭に痛みと衝撃が走る。目を開け、落ちてきた物体を確認すると、やはりフーリッシュだった。
「針壁が？」
「迫ってきた」
彼の片手にはスイッチが握られていて、デカデカと"ドカン"という文字が貼り付けられていた。
「リルは無事か？」
「爆弾を取りに行く時に針壁の外へ突き飛ばした。怪我が無いといいが────」
パチ、パチパチパチ。
何やら上から凍りついたような拍手が響いてくる。"素晴らしい、素晴らしい！"と、呪文のように唱える男の声。
私は反射的に体が動き、天井までジャンプして淵を掴む。その先で不気味な笑みを浮かべていたのは────
「素晴らしい！！
彼には"心"がある。トバイアス、互いを優先するのは彼も同じなようだね」
「っ・・・」
やはり針壁から逃れたとしても負傷は免れなかったようだ。頭から血を流している。
私の頭の中で糸が途切れる音がしたと思えば、
男に馬乗りになり、首を絞め、咥内にピストルを埋め込んで、左手を靴で踏みつけ、言った。
「お前に来世があったとしても
その人生の最期に見るのは私とこのピストルだということを覚えておけ」
「はっ、情熱的なプロポーズだね」
バン、バンッッ！！
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです！ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい！ (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました！拝見させていただきますね！ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロユリ☆★ | 作成日時：2018年7月25日 13時
